出版社 | マセマ出版社 |
価 格 | 本体1,350円+税 |
難易度 | 中学範囲・高校1年生基礎 |
目 的 | 数学Ⅰの基本を学ぶ |
期 間 | 3ヵ月~6ヵ月 |
![]() | 価格:1,485円 |
数学が苦手な受験生が段階的に取り組みたい場合に効果的な参考書シリーズの1番最初の参考書である。解説は詳しく書かれているため偏差値40台でも取り組むことができる内容である。ただ、本書を取り組む前に『中3数学 新装版』などの中学範囲をしっかり仕上げていれば、より効果的になる。
よく言われるのが、数学は「教科書をしていれば大丈夫」・「チャートをしていれば大丈夫」と言う教員は多いが、数学が苦手な高校生にとって、どれくらい困難なことかに気がついていない。
数学は国公立大学を受験するためには必要な科目であり、数学ができないために国公立大学を受験できなかったという話はよく聞く。そのため、数学ⅠAは早い段階で仕上げる必要があるが、それができていない場合が多い。
まず、受験の世界では数学ⅠAは簡単・数学ⅡBは難しいと思ってくれてよい。そのため、国公立大学受験を考えているなら数学ⅠAは2年生8月末までに共通テスト70%程度はとりたい。
ただ、数学が苦手かどうかを自分で判断する際に決め手となるのは、教科書の問題を解いて理解できるかである。理解できる場合は本書を使わなくても良いが、理化できない場合は本書を使用した方が良い。
本当に数学が苦手な受験生にとって、本書でさえ難しいん場合がある。例えば、割合計算ができない、小数点の掛け算ができない、足し算で指を使うなどの数学(算数)レベルなら1回小学校・中学校レベルまでに落とした方が良い。
現実問題として数学の知識がこのレベルの高校生が存在していて、国公立大学受験を目指している場合もある。ただ、高校1年9月までに中学生範囲を完成させれば国公立大学を狙うことも可能であるが、多くの学校で高校範囲を教え続けて結果的に共通テスト(センター試験)で20~30点台になっている姿をよく見かける。
そのため、数学は自分のレベルに合った参考書を使用しないと時間の無駄になる。
ある程度、中学生範囲が完成しており本書を取り組める力があるとしても、1冊を仕上げたからといって数学Ⅰが完成することは無い。
本書の良い点は、1つ1つを丁寧に解説しているため、問題より解説重視の参考書として考えてくれればよい。そのため、数学Ⅰを解くのに必要な基礎学力を身につけることはできるが、入試レベルまでではない。ただ、一歩一歩と数学は理解していくことが大事である。
本書の取り組み方は、まず問題を解いてみる。そして答え合わせをする時に次のように分ける。
△の問題は繰り返し問題を解いて確実に覚える様にしよう。ただ、×の問題は解説を読んでも理解できないなら、いくら悩んでも時間の無駄である。一番良い方法は、教師に聴くことである。それで理解ができれば△に変えよう。もう一つの方法は、答えを丸暗記するパターンである。本当は、お勧めできないが形を覚えることで類似問題を取り組んでいるうちに次第に理解できる場合もある。
元々は、教科書だけでは理解できない学力層を対象にした問題集であるが、取り組んでいくと次第に教科書内容も理解できるようになる。そのため、本書と教科書を併用して取り組んでいけば、基礎的なレベルに到達することができる。
ただ、教科書の場合は授業範囲・定期試験範囲が終われば取り組まない高校生も多いが、受験を考えているなら本書の分野と同じ分野を教科書でも並行して取り組もう。
ある日、教員が数学を完成するために取り組むべき量を高校生に示していたが、その量を取り組むには1日2~3時間かかることになる。つまり、他の勉強を犠牲にして取り組めと言っているのと同じだが、カリスマ講師と呼ばれる人の中にも宿題・予習を尋常じゃないぐらい課す人もいる。そりゃ、その科目は上がるが他の科目はボロボロで志望校は不合格なんて当然である。
そのため、私が言いたい「毎日取り組むは1問でも良いから取り組みなさい」である。どうしても、数学は計算速度も要求されることになるので、日々取り組んでいないと速度が上がらない。1問なら5分~20分程度なので無理なく続けられる。