• 受験に必要な知識や参考書の評価を公開

【小論文の+α講義(02)】小論文の学習で重要なことは具体と抽象を理解することが大事

小論文に素晴らしい内容が必要なわけではない

小論文を指導している際に模範解答に不満がある

小論文は満点の正解が解らない入試であり、相手校の採点基準次第で多少の誤差が生まれる。ただ、小論文の模範解答が模範解答らしく、しっかりした文章で書かれているため高校生が書けない文章になっていることが多い点が不満である。

限られた時間内で、決して知識量が多くない受験生にとって模範解答を参考にすることにどれくらい学習効果があるのだろうか。また、小論文を指導している教員も添削で書かれた文章を読んで、駄目な点は教えてくれるが、どの様に書けばよくなるかを教えてくれない。実際に、指導している点が誤字の確認・接続詞の使い方など文章の中身でない場合も多い。

では、受験生は小論文の学習をする際に何を意識すればよいかであるが、【小論文の+α講義(01)】採点基準の曖昧さを乗り越えるために受験生ができることで書いたように減点されない文章を書くことである。そして文章の内容に奇抜な才能を感じさせる文章はいらない(まずは書けない)。むしろ、論理的に文章を書けば諸論文らしい文章が書ける。その鍵となるのが抽象と具体である

現代文を学習すれば小論文でも活用できる

小論文の学習は現代文の知識があれば短期間で、ある程度の文章を仕上げることができます。短期間で小論文が仕上げられる理由の一つに抽象と具体について現代文で学習している点です

実際に、初めて小論文を教える機会があったのは国公立大学の2次対策の際です。大手予備校から定期的な小論文のプログラム(授業)の計画表が作られましたが、受験生の負担になる時間割でした。指導すると決まってから、大手書店で小論文関連の参考書を10冊以上読んで出した結論は大手予備校の指示を無視することでした。実際に、生徒もセンター試験(現・共通テスト)の学習時間が足りないと嘆いていたこともあり、センター試験後に追い込みをかけることにしました。結果、センターリサーチでC以上の子は全員合格しており大成功で終わりました。(大手予備校はAかBの上位出ない限り厳しいと判断していた)。後で志望校がC判定の子に成績開示で点数を聞いたら小論文が85%の得点率に対して英語が40%程度の得点だったらしく、たった1ヵ月の小論文の特訓で合格を勝ち取れたことがわかります。

ただ、指導していた私自身も思うのは、現代文の基礎知識があれば小論文は書けるという点です。一方で、現代文の知識がない学力層は小論文を書かせようにも文章自体が書けない場合が多く苦労することになります。

小論文に重要な抽象と具体とは何かを考えましょう

抽象は、現代文では「つまり」「したがって」など内容をまとめた場所です。

例えば、私は彼のことが嫌いです

この文章では彼を嫌っているのがわかります。一番言いたいことは「彼のことが嫌い」と言うてんです。その点ははっきり主張されていますが、なぜ?なのかわかりません。そのため

私は彼が嫌いです。なぜらなら、彼は私の悪口を言ったからです。

この様に書けば嫌いな理由がわかります。これが抽象内容を具体化していく作業です。悪口を言った(具体的な内容)から嫌い(抽象的・まとめ)になります。もちろん、その悪口の内容を更に詳しく書けば具体的になります。

私は彼が嫌いです。なぜなら、彼は私のことをチビだと人前で馬鹿にするように悪口を言うからです。

より、具体的な文章が出来上がってきます。この具体的な内容が書き手の個性として現れます。ただ、少なくとも抽象的な内容と具体的な内容を繰り返していくだけで文章は出来上がります。もちろん、『樋口裕一の小論文トレーニング 』などを読んで文章の書き方はマスターする必要はありますが、具体と抽象はわかれば小論文を簡単に書くことができます。

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