出版社 | アルク |
価 格 | 1540円(税込) |
難易度 | 共通テスト~MARCH・関関同立 |
ページ数 | 368ページ |
木村達哉・石崎陽一により作成された英文法の問題集であり「すぐにわかる」「すぐに使える」レベルを目指して何度も反復練習に使用することを目的にしている。高校生の基本的なレベルから入試レベルまでを網羅している。
本書を使用して英文法を学ぶというより反復練習により定着させることを目的としている。実際、暗唱例文を利用してシャドーイング、オーバーラッピング、リード&ルックアップ、バック・トランスレーションなどで英語力の向上を目的としている。そのため、本書をしっかりとやりこめば学力は伸びるだろう。
一方で、一冊の参考書に詰め込みすぎ感があり英文法をある程度理解している受験生でないと学習効果は高くない。まず、説明が必要最低限であり、ポイントを押さえているため学力がある受験生には理解しやすいが英語が苦手な受験生は苦しむ可能性がある。また、高校生の基本的な内容から大学入試レベルまで網羅しているので問題集が多く感じるかもしれない。この点も英語が苦手な受験生にとって苦労する。そして、シャドーイング、オーバーラッピング、リード&ルックアップ、バック・トランスレーションは英語力を向上させる一方で時間がかかることも確かである。他教科とのバランスを考えた際に負荷が重くなる可能性もある。
そのため、英文法を初めて学ぼうとしている受験生が1冊目に使用する参考書ではない。
まず、本書を誰かにお指導してもらいながら学習するなら効果的であるが独学で取り組む場合は以下の様に使用すれば効果的である。まず、『スクランブル英文法・語法』などを終わらせておいて入試レベルの英文法を解ける段階までしておくことが重要である。そして、本書を使用して幅広い難易度の問題を取り組むことで英文法問題の完全な定着を目指すことである。本書の問題数の多さとポイントを押さえた解説が効果的に発揮できる。
そして、この段階であればャドーイング、オーバーラッピング、リード&ルックアップ、バック・トランスレーションをする余裕があるので70点程度の英文法力を90点以上にするために活用することができる。
さらに、国公立大学2次試験で英作の問題がある大学では文法力が仕上がるので変に英作文の参考書を数冊取り組むより効果的になる。ただ、例文を覚えるぐらいやりこむ必要があるため、この点からも学力上位層が仕上げに使用する参考書と言える。