受験関連の広告や情報誌を見ていると、偏差値が簡単に上がるのではないかと中高生は期待する。しかし、テレビやドラマの様に簡単に偏差値が上がることはない。大幅に偏差値を上げるために必要となるのは以下の2点である。
この2点が非常に大事である。偏差値を大幅に上げた受験生は、それなりに学習時間(努力)をしている点である。学習時間にしても隙間時間の使い方など学力を伸ばすにはそれなりの努力と方法をしている。そのため、楽して簡単に偏差値が大幅に上がることがないことは知っておこう。大事なのは、キチンとした努力をすれば学力は伸びる点である。
そのために大事なのは学生の学力に応じた教材や指導がなければ偏差値が上がらない点である。この点は学生が独学で取り組むのが難しいため予備校・塾・学校に頼るしかないが、効果が低い努力をしている場合も多い。そのため、実際に偏差値20程度上げた受験生をもとに偏差値を上げる方法を考えていきたい。
1年間で偏差値が5以上上げることができれば成功であると教育関連の担当者から言われたことがある。要は、簡単に偏差値を上げることが出来ないのが常識である。なぜ、偏差値を上げることが難しいかは以前blogで書いた【進路・受験情報】偏差値に左右されない進路校選びが重要を参考にして欲しい。あなたが勉強する様に、ライバルたちも勉強している。そして、偏差値50・偏差値60・偏差値70の学生で勉強時間が違うのがわかる。偏差値が上がれば上がるほど、1上げるためにかなりの努力が必要になる。このことからも偏差値は簡単に上がらないことを前提に考えておこう。
その中で、以下の偏差値を上げた受験生の折れ線グラフを見て欲しい。
偏差値・合格先の大学の基準は進研模試(ベネッセ)を基準に書いています。始まりの点が3人とも違うのは指導を開始する時期がバラバラだからです。中には高校2年生の3月までバイトをしていた高校生もいるので指導開始=受験勉強モードではありません。それにも関わらず偏差値を大幅に上げることは可能です。
名探偵コナンのキャラクターと一緒に思考力を育てる通信教育「ワークブック」まず、学力に見合った教材を使用しているかどうかである。実際、高校で使用している教材・副教材を見た際に実力に合っていない場合や目標校には到達できない参考書を使用している場合が多い。また、売上げNo1や人気の参考書を本屋で購入して取り組んでいる場合が多いが無駄である。例えば、偏差値40台の受験生が 『英単語ターゲット1900』を取り組んだ所で努力の無駄遣いである。学習状況(目標校)に応じて適した教材を使用すれば学力が伸びやすい。
一方で、自分に合った教材を見つけることが難しいのも事実である。予備校や学習塾関連、通信教育、映像授業などあるが、実際に一長一短な点がある。そのため、1年間で偏差値5上がれば成功ともいえる。
余談であるが、カリスマ講師が必ずしも良い先生ではない。カリスマ講師の中には課題を以上に与えている場合がある。例えば、英語の先生で人気があり、わかりやすいと評判であるが次の授業まで覚えなくてあいけないこと・取り組まない課題が膨大な場合ある。結果、英語ばかりしているから英語の成績は伸びるが他教科の勉強時間は無くなりトータルでは偏差値が上がていないことがある。
私自身も最初は複数の教科の受験指導をすることはなかった。ただ、1年間指導を任せた結果、高校3年生の5月模試で偏差値40未満が続出したことをきっかけに、高校3年生の7月(夏休み)から大手予備校のノウハウを学びながら全教科指導することになった。結果、偏差値53~58の大学に合格させることはできた。この時も、高校3年生になって「助動詞って何?」と聞いてくる受験生に対して使用する教材が難しかったため意味のない授業をしていたことが分かった(*大手予備校が選んだ参考書も受験生に合わないと破棄している)。これ以降、毎年多くの参考書を比較検討しながら研究した結果、学習状況(目標校)に応じて適した教材を使用することの重要性を感じている。
偏差値を急激に上げようと思うなら、そもそも時間をかける必要がある。上述の3人の折れ線グラフであるが偏差値が上がりづらい高校3年生で急激に偏差値を上げている。その理由は、高校3年生(特に7月以降)で学習時間が大幅に増えている点である。偏差値を楽して大幅に上げようなど甘い考えとしておこう。
よく受験生に対して言っていることであるが、「もし本命の大学に0.2点差で落ちたら後悔しないか?」と聞いている。そして、「あの時、もう少し勉強していれば合格できたと考えたら後悔ばかりするよ」と言っている。実際に、0.2点足りずに志望校を不合格になった受験生を見ている。そのため、出来る限り勉強しようと考える。
また、「受験勉強の追い込み期に遊んで楽しい?」とも聞いている。大学受験は合格できるか不安な気持ちで一杯な時に楽しく遊べる受験生は少ない。むしろ、勉強している方が不安から解消されることも多い。結果、空き時間などを活用して勉強するためトータルの学習量が伸びる。例えば、授業の合間の10分休憩で単語帳の復習を5回した。すると、1日50分の学習時間が確保できる。そして、1週間続ければ250分の学習時間になる。それを1か月間続ければ約1000分、3カ月続ければ3000分の学習時間になる。これは2単位授業の1年間に相当する量である。
この様に伸びる受験生は隙間時間を上手に見つけて学習しているのは確かである。実際に偏差値20程度伸ばした受験生の学習時間を見てみよう。
高校3年生7月以降の学習状況であるが、平日の学校がある場合は学習時間が6~7時間程度に制限される。一方で休日は12~14時間の学習時間が多い。そのため、偏差値を大幅に伸ばしている受験生は学習時間もしっかりと確保している点が重要である。ただ、偏差値60以上の受験生は同じぐらい勉強しているため、ここでも自分に合った教材を使用することで学習効果を高めることが出来る。
学習時間などを見ると、そんなに勉強できるか自信がない受験生も多いと思う。大事なのは慣れである。上述の様な時間を勉強している受験生も最初から何時間も勉強できたわけではない。最初は、その子の学力に応じた参考書を使用して勉強ができる状態にしてあげる。そして、偏差値55~60程度まで引き上げた後に学習時間を自然と増やしている。もちろん、最初から上述の時間で勉強できるなら、どの大学でも簡単にいけそうだが、やはり必死になるのは高校3年生になってからである。
特に意識して欲しいのは、やることをやれば学力を伸ばすことが可能だということである。たとえ、中学時代に勉強していなくて困難校に通っていても十分難関大学に合格することが出来る。実際に私自身もネットで調べたら出身校は高校偏差値41の高校であったがマナビジョン(ベネッセが提供)では大学偏差は72~73の所である。ただ、それなりの努力はしたが高校からでも学力を伸ばすことは可能である。
E判定から逆転合格や効率的な勉強法を紹介している場合が多いが、必ずしも参考にならない場合がある。例えば、E判定といっても、「受験勉強をしていなかっただけの基礎学力が高い受験生」と「基礎学力がない受験生」では状況が違う。今回、紹介した子たちは後者に該当しており、SVCがわからない・割合計算ができない・都道府県を知らない(自分の住んでいる地方でさえ)・光合成と言う言葉を高校生で初めて知ったなど中学時代に何を学んできたんだ…と思える学力層である。逆に言えば、中学時代に勉強していた高校生はもっと楽に偏差値を伸ばしている。勉強法は色々と多いが、失敗パターンから学ぶ点も多いことを知っておこう。
最後に、「正しい努力で時間をかければ学力はきっと伸ばせる」ことを知っておこう。
T7月 26, 2022 11:09 am /
明治大学に行きたいです。今の偏差値が45です。どうすれば良いでしょうか。