落ちこぼれだった龍山高校から東京大学合格者を輩出し有名となった桜木建二(阿部寛)であったが、現在は働いていなかった。そんな中で偏差値32で経営破綻寸前の龍海学園で、教頭・高原浩之(及川光博)が桜木による再建案を提案する。しかし、自由な校風を理想に掲げる理事長・龍野久美子(江口のりこ)は進学校化に反対している。そんな中で本当に東大合格者を輩出できるのだろうか。
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第6話の合宿初日に「時間を自由に使え」といわれて指示がない状態であった。そして、この時間の使い方が勉強ができる高校生と勉強ができない高校生との差が別れる場所である。
空いた時間に何をすべきかわかっている受験生は学力を伸ばすことが出来る。実際に、今から1時間静かに勉強しなさいと指示した場合に、勉強を始めるまでの時間を見ていれば学力が低い層ほどスタートまでに時間がかかる。この積み重ねが最終的に大きく学力の差を生む要因になっている。ドラマの中でも小杉、藤井らが直ぐに勉強に取りかかったのに対して他のメンバーが時間がかかっている点から勉強ができない学力層は何をしたらよいかわからない状態になっている。実はここに学力が伸びるかどうかのポイントの1つがある。
よく、勉強が伸び悩んでいる受験生ほど何をするかの指示を欲しがる傾向がある。大まかな計画は必要であるが細かい内容を指示しすぎると弊害も出てくる。弊害とは、①指示内容が終われば勉強が終わってもよいと考える、②指示内容をこなすことが目的に変わる、③受験勉強でさえ指示待ち人間になってしまう点がある。今回、特にドラマ内の演出が顕著であったが実際に意味ある内容である。
中学生で国語が得意と思っていた高校生が、大学受験では国語が苦手なることがよくある。実は、適当に文章を読んでいて何となく根拠がない状態で文章を読んでいた。実は、読解力・語彙力不足の受験生は現代文だけでなく全ての教科で理解度が低いことがよくある。例えば、英単語の日本語訳がわかっても意味が解っていない場合がある。speculationが投機と知っていても投機の意味が解らないと使い道がない。また、パラグラフリーディングができないだけでなく、赤本などの解説を読んでも理解できない。
受験生の中には自分で問題を解いて解説を読み込んでこなかった場合がある。解説をしてもらわないと理解できない頭になっている場合がある。もちろん、問題集や模試などの解説を読んできていれば問題ないが、中には解説しか聞いていない受験生がいる(要は復習が軽視し過ぎている)
読解力、語彙力を増やすためにはドラマの中の様に「まじかるバナナ」が有効なのか?遊びでなら問題ないが高校3年生の時間がない場合に取り組んでいる場合でない。そもそも、現代文や英語長文で文章を読んでいるはずであり、キチンとした読み方をしていれば読解力は身につく。現代文や英語で読み終わった後に本文が綺麗な場合は力がある受験生以外は、ただ眺めているだけの場合も多い。
そして、『ドラゴン桜2』を見て思うのは勉強時間が少ない。短期的に急激に上げるためには、勉強以外のことは極限まで減らしていけないといけない。
受験勉強をしていると食事制限などのダイエットをしている余裕はなくなります。勉強すればするほど、甘さが欲しくなるし、そして間食が癖になります。朝からコカ・コーラ―とポップコーンを朝食の代わりにしているアメリカンな女の子もいましたが、優先すべきは受験勉強です。ただ、女の子は太るのは嫌でしょう。ダイエット宣言しても(*おやつを食べない)、数日後には食べています…。それなら、普段エレベーターを使わずに階段を使う・歩くスピードを少し早くする・暗記を歩きながらするなど勉強しながら運動する機会はあると思います。
E判定は合格率20%などと言っていたが、実際は20%未満の可能性であって限りなく0%の場合もある。要は、6月模試を受験した場合に過去のデーターから合否の可能性を導き出している。そのため、E判定は模試受験生の50%もいるから少しでも判定が上がれば上位になると言っているが間違いである。なぜなら、E判定の受験生が東大を受験する可能性が低いからである。そのため、5月~7月頃に模試を受験していた受験生も大きく方向転換をすることが多い。
E判定の受験生はA~D判定の学力層と同じ勉強量では追いつくことは無い。E判定の子が勉強するなら、当然A判定・B判定の子も勉強する。E判定の子が10時間勉強しても、A判定の子も10時間勉強すれば差が埋まることは無い。そのため、単なる勉強時間だけでなく、勉強方法・内容で効率的な取り組みをしなくてはいけない。もちろん、A判定の子達が同じように効率的な勉強をすると追いつくことは無い。ただ、合格最低点を超えれば良いので、合格レベルまで追いつくことは可能である。
例えば、300満点の大学で220点以上合格だとする。ただ、270点と280点の学力差はかなり違いがあるが両方とも合格である。そのため総合点の61%(335点)〜65%(357点)くらいが合格最低点のラインのことを考えれば、満点を採ることは難しい。そのため合格者ゾーンまで追いつくのはE判定の受験生でも可能です。ただ、国公立大学では11月頃の判定やセンターリサーチでE判定では厳しいでしょう。
小杉さんの背筋を伸ばした走り方は印象的であるが(運動苦手?)、6話で助けてもらったクラスメイトに対して7話では厳しくなりすぎていない?そしてA判定は採れないだろう…。特別講師を読んで桜木先生が真ん中で話しているあたりなど謎が多い。学校売却を巡る陰謀などいらないなぁと思いながら、グダグダ言わずに勉強せい!と思ってしまう。そして東大模試の結果が出るまでモヤモヤ感を残す意味があるか?あれは集中できんぞ!と思ってしまう。色々、突っ込んでしまうが正解はないので受験生に合った方法を上手く活用する必要がある。