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【進路・大学受験】日本史・世界史を得意科目にするための学習方法

日本史や世界史を得意科目にして難関大学突破を狙う

はじめに

社会の勉強を苦手とする受験生や暗記科目だと考えている受験生・教員が多い科目です。ただ、共通テストで言えばリーディングも日本史も100点満点になります。難関私大では英語の配点が高い場合がありますが、日本史で失敗すれば合格できない場合があります。その一方で、社会系の科目は安定的に点数が採れます。今回は日本史・世界史の受験勉強で必要なことを知っておきましょう。

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日本史・世界史の入試状況を考える

日本史や世界史の入試難易度であるが、日東駒専・産近甲龍 ≦ 共通テスト < MARCH・関関同立 < 国公立2次試験 ≦ 早慶の順番である。注意が必要なのは、MARCHや関関同立の中でも難易度の差は大きい点と国公立大学2次試験で日本史・世界史を課してくる国公立大学は難関国公立大学の場合が多いので難易度を高めに設定している。また、日東駒専・産近甲龍より下の大学は2科目受験の場合が多いため英語と現代文を頑張った方が良い。そして、普通に学習すればMARCH・関関同立レベルに達することが可能で、論述対策をすれば国公立大学2次、そして早慶対策をすれば早慶レベルに達することになる。

まず、共通テストに関しては思考力を問う問題と言いながら難易度が下がったと考えればよい。従来の知識偏重型の入試問題から知識を活用した思考力を問う問題作成を意図している。この理念を考えれば、「センター試験は知識が必要」から「共通テストは知識+思考力が必要に」に変わったはずだが、結果は以下のとおりである

科目2021年
共通テスト
2020年
センター試験
2019年
センター試験
日本史B64.1165.4563.54
世界史B61.4662.9765.36

難易度に大きな差がないことがわかる。実際、各予備校は共通テストが終わった日に問題難易度を「やや難化」「難化」と公表したが、リサーチが進むにつれて「平均並み」「やや易化」に変えている(どの教科にも当てはまる)。このことから、「知識+思考力」と言いながら知識を必要としない読み解き問題など多く出題されていることがわかる。結果、国公立大学希望者は共通テスト形式の問題に慣れる練習は必要である。一方で、私大受験者はマーク式模試が私大入試と乖離していることを知っておこう。実際、受験生の中にはMARCH・関関同立の実際の入試問題で受験した日程の得点率が安定的に80%以上採っているにも関わらず、共通テストは模試・本番を含めて最高点でも60点程度であった場合もある。

一方で、MARCH・関関同立以上の大学に関しては、知識だけでなく思考力がいる。この場合の思考力は、「何が?どのように?出題されるかを考えながら勉強していかないと点数が採りにくい。単純暗記では限界がある。そのため、共通テストではテスト本番に思考力を使うことになるが、MARCH・関関同立以上の大学では普段の学習から思考力を使いながら理解度を深めてアウトプットできるようにしておく必要がある。そのための学習方法を説明していきたい。

選択科目は日本史か世界史のどちらが良い?

そもそも、選択科目は日本史の方が良いか、世界史の方が良いかの問題がある。まず、自分の進路に合わせて科目を選択する方が良いが大学受験だけのことを考えれば以下のとおりである。

  • 偏差値60以上の進学校に進学した高校生は日本史を選んだ方が良い
  • 高校受験で社会を勉強しなかった高校生は世界史を選んだ方が良い
  • 抽象的に物事を考える力(空間把握)がないなら日本史を選んだ方が良い

まず、大学受験では日本史でも世界史でも山川出版社の教科書内容を覚えると想定しよう。入試に出題される内容はほとんど同じぐらいである(若干世界史の方が少ない)。そして、両方の科目は平均点を同じぐらいにすることを目指されている。このことを前提に以下のことを考えていこう。

中学生の時に学習した歴史について考えて欲しい。内容に関しては、ほとんど日本史であって世界史について学習していないと思っても良い。そのため、偏差値60以上の高校に進学した高校生は中学生の時に受験勉強で歴史を学習していることから日本史学習の土台が出来上がっている。実際に、大学受験している際に中学歴史の参考書など見ると細かい内容が書かれていることに驚く高校生が多い。そして、中学の時に勉強しておけば良かったと考えことが多い。そのため、偏差値60以上の進学校に進学した高校生は日本史を学習したほうが効率的に学習できる。

一方で、高校受験で社会を勉強しなかった高校生は上記の様に、同じ時期に日本史Bの受験勉強を始めても偏差値60以上の進学校に進学した高校生とは基礎力で大きな差が存在していることになる。それなら、世界史Bを勉強した方がスタートラインが、ほとんど同じこともあり不利にはならない。ただ、世界史は抽象的に物事を考えたり(因果関係)、空間把握(世界地図・歴史)の力がないと躓くことが多い。そのため、感覚的には偏差値50未満の高校生は日本史で追い上げたほうが良いだろうし、偏差値50~60の高校生は日本史でも世界史でもどちらでも同じである。どちらを選んだとしても、それなりに時間をかける必要があり、キチンとした学習法をすれば難関大学の入試問題は解ける。

余談であるが、国際系学科がある高校で教えていた際に高校2年生で日本史ルートか世界史ルートかを選ぶ機会がある。普通に考えれば、世界史を選択科目に選ぶ高校生が多いと思ったのだが世界史は日本史の半分以下の生徒しか選択していない場合もある。そのため、難関大学を目指す高校生は、ある程度の進学校が多いこともあり日本史で受験する高校生が多い。どちらか迷ったら日本史にしておけば良いだろう。

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【日本史・世界史の学習方法①】基本となる参考書・プリントを決める

日本史や世界史学習で山川出版社の教科書を読み続ければ良いと受験指導書や教員は言っている人も多いが、果たして効果的な学習方法なのか?ある程度、学力がないと教科書を読むだけで流れをつかむことはできない。というより、教科書内容の削減などで本文にあった内容が欄外に書かれるなど必ずしも時代のつながりはない(*入試では出題されない内容も多い)。時代の流れを読みだけなら、『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』『青木裕司 世界史B講義の実況中継』の方が効果的だろう。ただ、それより重視したいのは、日本史・世界学習の基本となる参考書やプリントを決めることである。私などは指導する際に以下のオリジナルのプリントを使用して勉強させた。

本当は自分でサブノートをつくれば良いのだが時間がもったいない。オリジナルプリントを持たせて高校の授業中に並行して読ませることで内容を理解させ覚えるべき内容を整理させた。市販されている参考書でも良いので、板書の様にまとまっている参考書を使用するようにしよう。それを基準として、間違えた個所や追加情報を書き込んで自分だけのオリジナルの教材に作り上げよう

教科書学習を勧めない理由として、ある程度テーマで固まっている場合もあり時代が前後して書かれている場合もある。そのため、流れを理解するために使用しているはずが、流れが混乱する場合がある。教科書はあくまで、ある程度学力がついてから追加情報を得るために使用しよう。ちなみに、オリジナルプリントで旧帝大の2次試験まで対応できているので問題はないのだろう(教科書は、ほぼ読んでいない状態だった)

【日本史・世界史の学習方法②】最初から全ての内容を覚えようとしない

日本史・世界史は最初から全ての内容を覚えようとしなくても良い。頻出の用語から段階的に覚えていった方が効果的である。MARCH・関関同立レベルの大学でも頻出問題が多く出題されているため、凡ミスで点数を落とすことはもったいない。以下の段階で覚えていくことが重要である。

  • ①赤字の重要語句を覚える・下線部内容を理解する(共通テスト・日東駒専・産近甲龍で頻出)
  • ②黒字であるが問題演習時に出題された内容を覚える(MARCH・関関同立)
  • ③余白に書き込んだ内容を覚える(志望校対策)

上記の図であれば、保科正之が会津藩であること、明暦の大火などは後回しにしてもよい。最終的に全てを覚えるが、最初から全て覚えていたら時間がかかり過ぎる。そのため、第1段階は赤字を中心とした語句を覚えるようにする。心配しなくても、結構な量があるため①を完成させればMARCH・関関同立でも50%~70%の点数はとれる。

【日本史・世界史の学習方法③】関連付けて覚えることが大事

よく理解しながら勉強しなさいと言われるが、日本史学習は関連付けて覚えるた方が効果的な学習になる

この内容を確認してもらえれば、教科書ではテーマ毎に掲載されているが、このような板書であれば1872年に起きた出来事を一つのまとめで覚えることが出来る。そのために、「1872年に何があったのか」「1872年にあった国立銀行条例は誰がつくったのか」「1872年にあった徴兵告諭の結果、何がおこったのか」という風に1872年に何があったかを関連して覚えた方が効果的である。実際の入試問題でも1872年の出来事とわかっていれば解ける問題が多い(選択肢が別の年号の出来事であれば消去法で答えが導き出せる)。そして、1873年には何があったのか?など関連付けてつなげていけばよい。

理解しながら覚えるのは、覚えられない内容であったり定期試験レベルの内容であれば意味あるが受験勉強では時間がかかり過ぎることもある。例えば、「富岡製糸場が群馬県フランスの技術によって製糸工場としてつくられた」という内容を覚えるのに、「なぜ群馬県なのか?」「なぜフランスなのか?」「なぜ製糸なのか?」など考えていくとキリがない。【日本史・世界史の学習方法②】で述べたように最初から細かく内容を覚える必要はない。それより、単語だけ覚えるのではなく固まり(前後関係・関連付け)で覚えるようにしよう。もし、関連付けでなく理解して覚えようとすれば以下のようになる。

弘仁・貞観文化では桓武天皇が寺院勢力の排除を目的に平安京に遷都したこともあり、空海や最澄が中国から持ち帰った真言宗や天台宗が貴族の間に人気となった。特に、加持祈祷で代表されるように現世利益を求める仏教は当時の貴族に受け入れられ、弘仁・貞観文化では真言宗・天台宗(円仁・円珍により)による密教が特徴と言える。しかし、国風文化では末法思想の広がりや社会不安(疫病の流行)により現世より死後の世界での救いを求めて阿弥陀仏を信仰する浄土教を中央貴族間で流行することになった。藤原頼通が建立した京都(宇治)の平等院などが代表的な浄土教の寺院である。中央貴族で流行した浄土教は院政期には社会混乱・武士の台頭により地方にも有力者が増えたことで、奥州藤原氏が建立した平泉の中尊寺のように地方にも浄土教が布教したことがわかる。だが、死後の世界への関心は次第に民衆にも広がり、平安時代末期から法然が布教活動をしたように民衆も救いを求めたことで鎌倉新仏教が成立した

さて、1回目で上記の流れを理解できるだろうか?これでも理解して覚えるには、もっと詳しく知る必要があります。そして、それを覚えておくことは難しいでしょう。まだ、周辺知識は授業程度の内容で構いませんので、まずは固まりで言葉を覚えることを意識しましょう。「徳川家綱の次の将軍は?」「米騒動で辞職した首相は?そして次の首相は?」と関連付けを意識しましょう。

【日本史・世界史の学習方法④】復習しなければ日本史・世界史は覚えられない

理解しながら覚えることも重要ですが、そもそも日本史・世界史はどれだけ復習したかで学力が変わります。たとえ、カリスマ講師がわかりやすい授業をしたり、最高の参考書を読んだとしても理解してつもりは、その場で終わってしまいます。結局は理解した内容を復習していかないと学力は伸びません

そして、繰り返し学習するために【日本史・世界史の学習方法①】で述べたように基準となる参考書やプリントが必要になります。繰り返し学習していけば、参考書やプリントの位置で単語や内容を覚えることが出来ます。例えば、以下の図を見てください。

何度も読み込んでいると、それでは次のp5には何が書かれているかを思い出すことが出来ます。プリントの右に書いていた、左に書いていた、図の上に書かれていた、など軸となる教材で言葉を覚えていくことが出来ます。この考え方は理解して覚えないと言っている人からすれば、まったく違う覚え方なのでしょうが、IQが高い人が暗記する際に使用する関連付けた覚え方にもなります。そして、余白に注釈を書いていけば、自分の印象に残して解く(覚える)ことが出来ます。

【日本史・世界史の学習方法⑤】過去問演習で得点を上げる

日本史・世界史の最後の仕上げは過去問演習に時間を割くことです。ただ、英語や国語と違って30分~40分で過去問は解答できます。そのため、多くの量い取り組めるのが日本史・世界史の魅力です。

教科書で日本史・世界史を覚える必要はないと言いましたが、周辺知識や背景を覚える必要があるのではないかと思う人も多いでしょう。それが過去問を取り組む時期です。過去問でリード文や選択肢を読んでいけば周辺知識や時代背景を得ることはできます。ただし、MARCH・関関同立以上かセンター試験の問題でないと意味はありません。それ以外は、単純に知っているかどうかが問われる問題が多いです。

ただし、センター試験と違い共通テストは国公立大学を受験する人以外は取り組まなくて良いかもしれません。共通テストの問題は時間がかかる割に周辺知識や背景が身につかない問題も多いので効果はありません。センター試験の様な問題なら意味はあります。そして、模試を受験した後に見直しをしろと言われますが、どれほどの受験生が見直しをしているでしょうか?かなり細かい内容が書かれているが設問ごとに解説しているため、ある程度知識がないと読むだけで時間がかかります。それより、過去問演習などで間違えた箇所・内容を基準となる参考書・プリントに書き込むようにしましょう。志望校に頻出の問題もあるので過去問演習を通して点数を上げることが出来ます。

以前、全国模試(進研・全統)の模試で偏差値が70~80の受験生がいました。当然、この状態ですから日本史は仕上がっていると思う人も多いのですが、高校3年生の8月段階で併願先の同志社大学の日本史は得点率50~60%程度しか採れていません(本命の国立大学は2次が論述試験のみ)。そこから、過去問演習を繰り返して12月頃には得点率75%~85%程度になっていました。このことからも、過去問を解くことで得点率を上げることができます(復習は必要)

目安とすれば、過去3年分は最低限取り組みましょう。時間があれば出題傾向が似ている大学の問題も取り組みます。そもそも、日本史を本格的に勉強を始めるのが遅い場合があります。

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実際に、高校2年生の段階から日本史の受験勉強を本格化できるなら上記の方法にプラスして知識を加えることができます。下記の様な本文で小テストを作成して言葉を覚えさせていきます。

要は、時間があれば周辺知識をいれることはできます。一方で、時間がない場合でも最低限は過去問を解けるだけの時間をつくるように受験計画をつくっておきましょう。

以上のように、日本史・世界史は安定した得点源にすることはできます。ただ、単純な暗記科目として考えるのではなく、キチンとした取り組み方で勉強するようにしましょう。

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