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ドラマ『ドラゴン桜2』第10話(最終回)の感想から大学受験を考える

細かい点が気になった内容

ドラマ『ドラゴン桜2』のあらすじ

落ちこぼれだった龍山高校から東京大学合格者を輩出し有名となった桜木建二(阿部寛)であったが、現在は働いていなかった。そんな中で偏差値32で経営破綻寸前の龍海学園で、教頭・高原浩之(及川光博)が桜木による再建案を提案する。しかし、自由な校風を理想に掲げる理事長・龍野久美子(江口のりこ)は進学校化に反対している。そんな中で本当に東大合格者を輩出できるのだろうか。

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大筋の流れは良いのだが、所々に違和感を感じてしまう内容だった

最終話は東大受験と発表、そして学校買収問題であったが、桜木建二(阿部寛)も生徒たちに良いことを言っていると感じるのだが、細かい点が気になってしまったのもある。

まず、最強の助っ人として、桜木建二の教え子である奥野一郎(中尾明慶)、緒方英喜(小池徹平)、小林麻紀(紗栄子)を学校に読んで話をさせているが、東大受験前日にやることなにか?実際、一緒に受験勉強を頑張ってきてくれた同級生や教員との話は真剣に心に響くが、元東大生であっても急に知らない人がアドバイスしても何も吸収しない。これは夏ぐらいにやっておくことではないだろうか。実際に、センター試験前日に管理職などが壮行会のような形で激励していたことがあったが生徒にとっては不評であるため失くした経緯がある。理由は、急に出てきて語られても何も思わない点である。ある生徒は入試終了後に、「頑張れ!と言うけど、あの先生より早く登校して勉強して、先生が帰っても勉強していたから頑張ってたんだけどね。前日に言われても…」。そのため、入試前日はいつも通りに生活したほうが良いだろう

入試会場に健太に絡むような受験生はいるのか?極端すぎる悪役は現実味をなくす。実際に、藤井といざこざがあったように入試会場であの様な振る舞いをする人はいないだろう。そもそも受験失格になるリスクがある。ただ、模試では男子高校生から声かけられた(ナンパ)など非常識な存在は多い。そもそも模試を受けさせられている受験生も多いため真剣さがない場合も多い。また、当日では同じ高校の人たちが休み時間などでテンション高すぎてイラつくこともあります。自分のペースを乱さない・乱れたものを元に戻す訓練は必要です。ちなみに、女の子はトイレが混雑することもあるので注意しましょう。

留年して東大専科に残ると決めたが、国公立大学の入試は2月下旬で発表は3月上旬になります。はっきり言って、卒業はとっくに確定しています。意図的に生徒を留年させることは無理でしょう。そして、東大合格が出た後に来年度の入学者数が増える!と大騒ぎですが、私立高校の入試は終わっています。もちろん、2次入試などは残っているでしょうが大幅な受験者増加にはなりません。それを言うなら、高校も簡単に売却はできないのですが…。そもそも、最後のシーンでは生徒一人一人に語り掛ける桜木建二の言葉は良いのですが、この子達は9時前から何をしているのか?卒業式後なの?終わったの?色々と考えさせてくれます。年中、服装が同じで季節感がなかった点など細かい違和感に気づくと大筋が良くても気になってしまいます。

ドラゴン桜2で学べること

ただ、受験指導で一番恐ろしいことは滑り止めの概念がないことです。早瀬菜緒は自分で調べて共通テスト利用で出願して合格していましたが、他の生徒は東大のみ受験という結果になります。桜木は早瀬に対して自分で調べて自分で考えて行動したことだから良いとしていますが、成功と失敗の恐ろしさを感じました。

今回、滑り止めに関しては何も話題になりませんが早瀬の件から滑り止めの指導をしていないことがわかります。結果として、東大or浪人の2択を迫っていたことになります。これは現実の問題では難しいところで、本命だけでなく滑り止めも考えて受験指導する必要があります。もちろん、東大だけ受験させた方が合格する率を少しでも上げることはできるでしょう。大学受験は滑り止めも含めて指導してこそ受験指導でしょう

例えば、国公立大学を目指している高校・コースで誰がどう見ても国公立大学に行ける可能性がない生徒がいました。その場合クラス運営はどうしますか?国公立大学から私大へシフトされるとクラスの雰囲気が緩む可能性があります。そのため、国公立大学の合格者数を増やすためなら全員に最後まで国公立大学を目指させます。でも、これは受験生にとってはメリットがありません。

さらに、大学受験は努力した人間が合格すると信じたいが、結果は理不尽である。合否は数点勝負になることが多く1問あえば合格できたという現象は毎年おきる。(0.2点足りずに落ちたこと受験生を何人も知っている)そして、頑張りと比例して合格するわけでない。そのため、普段の勉強でミスをしない学習をしていないと失敗することがある。例えば、私大ではA日程では不合格だが、B日程では特待合格になるなど振り幅が大きい受験生もいる。それも知っておこう。

ドラゴン桜2では勉強方法があまりにも淡白になっている気がして残念であった。試験日までのコンディションの作り方や勉強方法などが何もない状態であった。実際、共通試験と2次試験が別の扱いのような印象を持たせるシーンもあった。

ドラマの感想

前作のドラマは見ていないが原作の漫画では読んでいる。そのため、流れはしっているが前作の登場人物に特に思い入れがない状態でドラゴン桜2を見ていた。結論から言えば、矢島勇介(山下智久)や香坂よしの(新垣結衣)が登場する必要性は何も感じなかった。前作を見ている人向けなのだろうなぁと感じた。また、東大合格者5人という縛りがあったからこそ、東大合格者と不合格者をつくったのだと感じた(4人にも6人にもできない)。

ただ、学校売却問題は面白くない終わり方でもあり、わざわざ入れる必要があったのか謎である。大塚家具の親子の争いを彷彿させられただけである。一方で、勉強面に関しては特に重視していなかったこともあり拍子抜けした感もある。阿部寛は安定の演技だが原健太(細田佳央太)の演技力は素晴らしかった。高校生の青春物語としてはアリなのかなと思える。

ただ、受験勉強はドラマほど甘くもない。何度も勉強しろよ!と思えるシーンがあったのも事実である。ただ、勉強のやり方次第では誰でも学力を伸ばせることである。それは参考になる内容である。

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