学力上位の高校に進学することのメリット

2024年に公開された大阪の学校統計(学校基本調査)によると、大阪の大学・短大進学率は67.6%(全国平均60.8%、短大は約5~6%程度)、専門学校進学率は14.1%、就職率は8.4%(全国平均14.2%)となっています。この傾向からも、中学生は大学進学する可能性が高いことがわかります。そのため、将来はどの様な進路を辿ることになるかわかりませんが、大学受験の可能性は念頭に入れておきましょう。

また、中学生や保護者が知っておいて欲しいのは大学に進学するだけなら難しくない点です。たとえ、四則計算ができなくても(特に分数や少数の計算ができない)、アルファベットさえ怪しくても(bとdの違いがわからない)、自分が住んでいる都道府県の位置がわからなくても大学生にはなれます。そのため、重要になるのは「どの大学に進学したか」になるでしょう。そのため、国家資格系などの特定の学部を除けば、できる限り学力の高い大学へ進学する方が良いでしょう。なぜなら、学生の学力と授業内容の質は比例する点はあります。考えてみればわかりますが、計算ができない大学生にどの様に統計を教えられますか?アルファベットも怪しい学生がいる中でどの様に英語を教えますか?これは、高校の授業でも言えますが、進学校と教育困難校で同じ授業が展開されるでしょうか…。

どうせ大学に進学するなら、できる限り上位の大学に進学したい学生や保護者の気持ちはわかります。でも、実際には産近甲龍・関関同立・国公立大学への進学は思うより難しくなります。

難関国公立大学の場合は高校3年間を計画的に勉強していかなければなりません。これは入試での科目数が多いために地区トップの公立高校か受験系の私立高校へ進学する方が良いでしょう。ただ、産近甲龍・関関同立などの難関私大であれば受験勉強を本気で取り組めば十分に合格ラインを狙えます。しかし、現実には甘くありません。

まず、高校生の半数程度は推薦入試で進学先を決めます。そのため、受験勉強を必要としない高校生が半分以上もいることになります。そうすると、ある程度上位の高校でない限りは周りが受験勉強をしていない中で勉強をしていくことになります。これは、思った以上に大変なことです。そのため、学力の問題以上に受験勉強が継続できない理由があります。

また、上位の高校へ進学する高校生は受験勉強の仕方を知っています。高校生に対して受験指導する際に、本人の目標校と受験勉強の仕方に大きな乖離があります。勉強の仕方から時間の使い方まで多くのことを修正していく必要があります。「土日に8時間も勉強した」ではなく「8時間しか勉強していない」という受験生の考え方を身につけるまで時間がかかります。一方で、上位校へ進学した高校生の多くはしっかりと受験勉強を経験しています。そもそも、有名私立中学を目指している小学生がどれくらい勉強しているか知らないケースがあります。同じ有名私立大学を目指す高校生の方が勉強時間が短いことも多い。

このことから、上位の高校へ進学することは①受験勉強のやり方が身につけ難関大学へ進学する可能性を広げる、②指定校推薦入試で有名私大を狙える(*学力上位層が一般選抜を受けるため)、このメリットがあります。もちろん、高校進学後から頑張ることは可能ですが、どうせなら中学から頑張っておいた方が良いでしょう。

関連記事:高校3年生の夏から受験勉強しても大学受験は間に合うのか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA