はじめに
受験生や受験指導の際の苦労話などをまとめた内容になります。受験生は誰もが経験した苦しみをブログに書いてみました。楽しんでください。
国公立大学希望者が私立大学志望へ変更した際に楽になると考えている場合もあるが実際には楽ではありません。まず、受験科目を考えれば以下のようになります。
難関国公立大学から私立大学への変更はそれほど難しくありません。2次試験のために私立大学受験の3科目を学習しているため変更すること自体は簡単です。問題となってくるのは中堅国公立大学や地方国公立大学になります。
中堅国公立大学であれば共通テストで必要となる科目数は多いですが2次試験では1科目か2科目でいけます。地方国公立の中には共通テストだけで出願ができる大学があります。そして、結論から言えば共通テストは問題が簡単です。共通テストで高得点が採れても私立大学の問題ができるとは限りません。
実際に、以下の様な試験結果になることがあります。
国公立大学希望者 | 同志社大学 | 関西大学 | 近畿大学 |
神戸大学希望者 | △ | ○ | ○ |
大阪公立大学希望者 | × | ○ | ○ |
大阪教育大学 | × | △ | ○ |
奈良県立大学 | × | × | ○ |
国公立大学受験者と言っても、私大に変更すれば難関大学に合格できるわけではありません。△が合否半々程度になります(*神戸大学希望者なら同志社大学は合格できると思うのだが…)。この表を見てもらえれば、私大に変更しても簡単ではありません。それは以下の偏差値表をみればわかるかもしれません。
偏差値 | 国公立2次偏差値 | 私立大学偏差値 |
65 | 大阪大学文学部 | 同志社大学グローバルコミュニケーション学部 |
60 | 大阪公立大学文学部 | 関西学院大学文学部 |
57.5 | 広島大学文学部 | 関西大学総合人文学学部 |
55 | 熊本大学文学部 | 龍谷大学文学部 |
52.5 | 富山大学人文学部 | 京都産業学部文化学部 |
上図の偏差値表を見てもらえればわかるように、国公立大学を志望しているから必ずしも難関私大に合格するわけではありません。安易に私大に変更しても上手いこといかない場合もあります。
古本、CD、DVD、ゲーム販売のもったいない本舗学校や予備校などでは国公立大学を最後まで狙うように指導している場合があります。よく意見が衝突したのは、地方国公立合格するために私立大学受験を軽視すべきでないという点でした。
国公立大学の合格実績を気にする高校・予備校では数を出せば良いと考えている場合があります。そのため、高校の進路実績などを見ていると、なぜこの大学を受験しているのか?と思える大学があります。実は、共通テストのみで合否判定が出る大学や2次試験が首都圏・都心部で受験できる国公立大学の場合があります。要は、その国公立大学に行かないけど合格数稼ぎで受験している場合もあります。
ただ、言えることは中途半端な国公立大学(地元でない)に行くよりは難関私大に行って方が良い場合も多いです。河合塾などではバンザイシステムを活用してA判定が出る大学を探すことができます。一方で、私大が難化して国公立大学は易化している印象なので地方や中堅の国公立大学志望者はチャンスでしょう。
そして、目安となるのは以下の通りです。
これらの基準で考えれば良いです。ただ、私立大学受験科目3科目が入試レベルに仕上がっているなら上記を達成していなくても問題ありません。一番最悪なのは、私大科目が得点率が悪いのに国公立型の勉強を続ける点です。
余談ですが、関西大学を目指して受験指導をしている教員がいました。何を思ったかセンター利用(現在の共通テスト利用)で受験させようとしていました。法学部を希望していたのですが、センター試験で高得点を採れたのは生物になり85点程度採れていました。一方で、英語や社会はイマイチな結果でした。なぜ、最初から3科目に絞らなかったかが疑問で仕方がありません。