高校3年生は2ヵ月~3ヵ月程度の期間に模試を受験しながら志望校を決めていく作業になる。もちろん、最終は共通テストの本番受験後に自己採点で確定するが、国公立大学では受験科目の違いなどがるため余裕で合格ラインに達しているなら問題がないが、合否ギリギリのラインの場合は志望校変更なども念頭に置かなくてはいけない。では、どうすれば良いかを考えていきたい。
まず、受験結果が返ってきてから生徒や担任などは志望校に対して色々と会話をするが、本当は自己採点段階で話しておく内容である。特に国公立大学であればボーダーライン(合否半々)は事前にわかっているので、自己採点から志望校を考えなくてはいけない。そして、一番恐ろしいのが国公立大学に合格する確率が低い段階でも相変わらず国公立大学受験の勉強を進めている点である。もちろん逆転合格の可能性もあるがリスクとリターンの問題である。そのため、次の2人の受験生のパターンで考えよう。
両方とも国公立大学文系希望者である。◎は得意科目であり、○はボーダー付近、△はボーダーを下回っていると想定する
英語 | 国語 | 数学ⅠA | 数学ⅡB | 地歴 | 公民 | 理科基礎 | 合計 | |
生徒A | ◎ | ○ | △ | △ | ○ | △ | △ | △ |
生徒B | ○ | △ | △ | △ | △ | ○ | ◎ | △ |
もし、2学期以降の模試で上記の結果となった場合(合計点は同じ)は生徒Aは国公立大学の受験勉強を続けても良いが、生徒Bに関しては私大に切り替えた方が良いだろう。
その理由として、生徒Aは文系3科目(英・国・地歴)は共通テストレベルは上回っているため私大入試も対応できるが、生徒Bは理科基礎が得意でも文系では意味がなく文系3科目も苦手な状態である。そのため、私大に絞って国語と地歴の対応をした方が良い。
そして、一番恐ろしいのが、上記の様な成績でも間に合う可能性があるためである。急激に成績を伸ばしてくる受験生がいるため、無理をさせてしまう場合がある。よく、「これぐらいの点数だけど、まだ大丈夫」と励ましている先生がいる一方で、経年比較すれば同水準の生徒は日東駒専・産近甲龍以下の大学に進学しているのに…と思うこともある。そのため、1・2年生なら文系なら文系3科目、理系なら理系3科目を早く仕上げるようにしよう。
余談だが、自称理系の受験生が何度も無理だと言っているにも関わらず理系を志望して数学ⅠAでさえ半分も点数が採れない(3年2学期以降)自体を目撃している。無理といった理由は、普段の学習態度から言ったのだが…結局はなんちゃって理系の大学に進学するしかなくなる場合がある。
受験生の2人に1人が利用する圧倒的なわかりやすさ!まずは無料でお試し。まず、大前提に志望校の決め方を考える前にボーダーラインを知っておいてください。ボーダーラインは合否が半々ラインでありますが、まずはこの点を超えないと意味がありません。そして、志望校が共通テスト重視か2次テスト重視かも知っておきましょう。共通テスト重視の国公立大学では2次で逆転は難しいです。
今回は単純に900点満点でボーダーを80%と想定して考えます。そして、最低条件を考えていきます。
第1回模試 (5月~6月) | 第2回模試 (8月~9月) | 第3回模試 (10月) | 第4回模試 (11月~12月) | |
2次重視 | 540 (ボーダー▲25%) | 576 (ボーダー▲20%) | 612 (ボーダー▲15%) | 648 (ボーダー▲10%) |
共通重視 | 540 (ボーダー▲25%) | 612 (ボーダー▲15%) | 648 (ボーダー▲10%) | 720 (ボーダーから0%) |
実際には、第4回模試の時期には変更がきかないでしょうし、第1回模試では更に下回っている状態でも夏に押し上げる受験生もいます。そのため、重要になるのが第2回~第3回の模試です。第2回模試であればベネッセ・駿台模試が丁度良いでしょう。
高校3年生の9月段階でボーダーに対して15~20%も足りないのは致命的になります。なぜなら、2次対策や私大対策など今まで以上に共通テストの勉強ができない時間が増えるからです。そのため、上記を目安に国公立から私大に切り替えるかどうかを考えた方が良いでしょう。
急げ!新ドメインは早いもの勝ち!国公立大学を目指したが不合格になり、滑り止めも思うようにいかないというリスクを避けるために上記の内容を考えています。そのため、最初から国公立大学を目指すなら私大入試に強い状態にすれば良いのではないでしょうか。
では、何を重点的に学習するかですが英語と国語は早い段階で仕上げるようにしましょう。そして、国公立大学を受験できるかどうかの鍵を握るのは数学ⅠAが高得点採れるかどうかです。もし、数学ⅠAが高校3年生5月頃の模試でも60%に到達しないなら諦めてください。逆に言えば、その覚悟で学習を速い段階からしていきましょう。
もちろん、共通テストを活用して難関私大の受験も考えることができます。ただ、依然と違って共通テストでの合否判定が各予備校によって大きな差が出ています。そのため、決して安心できるものではありません。