国語力がなければ学力の伸び方が遅くなる理由

大学受験の指導をしている際に大きな壁にぶつかる受験生がいます。それまでは順調に学力を伸ばしていたにも関わらず、学力の伸びが止まってしまうことがあります。英語を例にすると、真面目に受験勉強すれば中堅私大の入試レベルまでは比較的容易に正答率を上げていくことができます。しかし、そこから急に正答率が下がり壁にぶつかります。それは単語や英文法の力が不足しているのではなく、読解力(国語力)が不足しているため一定水準以上の英文が急に読めなくなります。英文の1文毎は日本語訳が出来ているように感じますが、文章全体を通して内容を理解せずに訳をしていることが多い。それが、400字~500字程度であれば文章の展開も少なく、文章も平易なため理解はできるのですが、800字程度の文章になると文章の理解度が急激に落ちます。

読解力(国語力)が低下している原因に小中学生の頃に文章を読む機会が少ないことが理由の1つではないでしょうか。もちろん、ただ文章を読むだけでは読解力を身につけることはできません。「小説を読めばよい」と簡単に言う人もいますが、あくまで小説を読む方がマシなだけです(語彙力は増えます)。読解力をつけるために必要なことは、文章を理解して読むことです。それには、指示語や接続詞、筆者の意見などしっかりと追いかけながら読むことが必要になります。そうすれば、読解力は身についていきます。ただ、中学生が国語の問題を解き終えた後に問題文を見れば綺麗な状態の場合が多い。そのため、読解力をつけるための勉強方法を取り組んでいないことがわかります。

読解力(国語)低下の最大の問題点は他者の言葉を理解できなくなる点です。読解力(国語力)がない学生は、「語彙力がない」「文章の内容を意味できない」「言葉からイメージできない」という問題に突き当たります。そのため、授業を聞いていても教員が話す言葉(単語)がわからない状態になります。そのため、問題文の「~に適して文章を~」がわからないとかつて高校生に言われたことがあります。このことを考えれば授業で話している言葉も理解できていない可能性があります。そのため、学年が進むにつれて勉強が躓いていくことがわかります。

また、以前より教科書が視覚的に見やすい教材になっていますが、学年が上がっていけば文章量が増える一方です。そのため、読解力(国語力)がない学生は参考書を読むことができなくなります。授業内容は理解できない…参考書で勉強しようにも書かれていることが理解できないという悪循環に陥ります。実際に大学の入学案内が比較しやすいですが、難関大学の方が文字数が多く、一般選抜で入学する生徒が少ない大学では写真が多くなります。

結果として、読解力(国語力)がない生徒の方が学力の伸び方が鈍いことが多くなります。そのため、出来る限りは早い段階から読解力(国語力)を伸ばしておく必要があるでしょう。

中学時代は国語は苦手でなかったはずが、高校では苦手科目になっている場合があります。それは、小中学生の間にしっかりとした読解力を磨いていないことが原因にあります。それは、単に漢字や言葉を覚える量が多いか少ないかの違いではなく、文章を読み解く方法を学んでいないケースがあります。

実際に、定期試験で点数をとるだけのことを考えれば国語は暗記テストになります。授業で学習した内容を覚える、対策プリントや副教材を覚えることで点数が採れます。なぜなら、国語の授業で読解方法を学習するなら試験で使用する文章は新しい文章である必要があります。1度読んだ文章(むしろ、何時間も授業で費やした文章)を読めたからといって読解力がついたとはいえません。そのため、テストの点数をとるためには暗記すれば良いだけです。また、入試レベルであっても設問の難易度は低いため、傍線部の前後を読めば一定の点数はとれます。もし、本当に読解力が必要な問題はC問題レベルになるでしょう。結果として、「何となく点数がとれる」国語はしっかりと勉強しなくても、それなりの点数が採れる科目になっています。そのため、本格的な土塊力をつけずに学年が上がるので大学入試レベルでは急に通用しなくなります。

もっとも読解力を1番上げる簡単な方法は、定期試験で限りなく点数を上げることです。点数をとるためにはノート、副教材だけでなく授業内容、先生の説明内容など、それぞれの意図を考える癖がつきます。それが、読解力を上げる第一歩になるでしょう。

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