コロナの影響により大学を退学しなくてじゃいけない状態になったなどの報道を耳にするが本当に大学生の生活は苦しくなったのか?実際に生活はどうなのかを考えてみよう。
まずは日本学生支援機構が実施している奨学金ついて考えてみましょう。現在、奨学金には給付奨学金と貸与奨学金の2種類が存在しています。更に、貸与奨学金には利息が発生しない第2種奨学金と利息が発生する第2種奨学金に分かれています。そして、奨学金を受け取る時期は予約奨学金(高校在学中に申し込む)と在学奨学金(進学後に申し込む)に分かれています。この段階で内容が複雑に感じている人も多いのではないでしょうか?では、実際に予約奨学金を申し込んでいるパターンが多く類型は以下になります。
A | B | C | D |
給付制奨学金 (該当すれば) | 給付制奨学金 (該当すれば) | 給付制奨学金 (該当すれば) | 給付制奨学金 (該当すれば) |
他は申し込まない | 第1種のみを申し込む | 第2種のみを申し込む | 第1種・第2種を併用 |
当たり前の話ですが、誰もが給付奨学金を受けたいと考えているでしょう。給付奨学金の支給額がどれくらいの金額かは気になるでしょう。
【国公立(目安)】
収入の目安 | 第1区分 271万円以下 | 第2区分 303万円以下 | 第3区分 378万円以下 |
自宅通学 | 29,200 (33,000) | 19,500 (22,000) | 9,800 (11,000) |
自宅外通学 | 66,700 | 44,500 | 22,300 |
【私立(目安)】
収入の目安 | 第1区分 271万円以下 | 第2区分 303万円以下 | 第3区分 378万円以下 |
自宅通学 | 38,300 (42,500) | 25,600 (28,400) | 12,800 (14,200) |
自宅外通学 | 75,800 | 50,600 | 25,300 |
結構な金額が月額で支払われることがわかります。上記はあくまでも1例であり、家族構成4人を想定した状態にあります。そして、収入の目安は市区町村税が基準となるため世帯構成や障碍者の有無、各種の保険料により異なります。そして、( )は生活保護世帯や児童養護施設等から通学している人になります。ただ、所得が多い人は関係ないと考える場合もあるのですが、資産基準は生計維持者が1人の場合は、上記の保有金額が1,250万円未満、生計維持者が2人の場合は2,000万円未満に当てはまる場合、制度が適用される対象となります。このことから基準が複雑なので申し込むだけ申し込むか高校の事務に相談しましょう。
さらに、経済的困窮者の大学進学を促す観点から大学無償化が進んでいます。いわゆる授業料等の減免制度で、支援対象となる大学、短大、専門学校、専修学校(高専4.5年)の授業料を決められた上限額まで毎年減免する制度です。入学年度においては、入学金(約7万円~約26万円)と授業料(約17万円~約70万円)、2年次からは授業料が減額や免除の対象となります。これらは第1区分・第2区分・第3区分により違いがありますが、第2区分は第1区分の3分の2を支援、第3区分は第1区分の3分の1を支援する形になります。
以上のことを考えれば、授業料の免除・減額を受けられる目安は、第1区分では目安として以下になります。
国公立 | 国公立 | 私立 | 私立 | |
授業料減免 | 入学金減免 | 授業料減免 | 入学金減免 | |
大学 | 54 | 28 | 70 | 26 |
短大 | 39 | 17 | 62 | 25 |
高専 | 23 | 8 | 70 | 13 |
専門 | 17 | 7 | 59 | 16 |
そう考えると授業料の免除・減免だけで第1区分であれば大学に進学しても初年度で82万円が免除されることになります。大学の初年度平均金額は国公立大学で95.6万円で私立大学で158.8万円(文系なら117万円)になっています。 授業料の免除・減免 を受けていると給付奨学金や第1種奨学金が制限されますが、かなり余裕があると感じませんか?年間50万程度アルバイトをすれば十分奨学金を借りなくても良いと思いませんか?
授業料の免除・減免 や給付奨学金がない時代であれば経済的な困窮で大学進学をあきらめたり退学することもあったのでしょうが、最近の制度の影響で経済的困窮で中退する理由は乏しいと考えられます。ただし、よくあるパターンが奨学金を家庭の生活費に使用している場合もあります。そのため、学費が支払えないということがおきています。
受験生の2人に1人が利用する圧倒的なわかりやすさ!まずは無料でお試し。給付奨学金には申し込み基準があります。それが以下の通りになります。
高校での評定平均が3.5以上あれば問題ありませんが、3.5未満の高校生は申し込むことができないのでしょうか?いいえ、問題なく申し込めます。その代わりにレポート提出があります。実際に、評定が3.0程度の高校生でもレポート提出で認められており、形式ばかりの基準かもしれません。
奨学金等の申し込みは家庭環境(収入や家族構成)などが大きく影響してきます。その点が重要だと考えてください。実際に、担任が生徒を評価する項目もあるのですA~Dやったかな?基本的には全てAでつけます。以前、ある担任が欠席も遅刻も多いから担任として推薦できないとDをつけましたが書き直しが指示でるように形式になります。
ただし、評定平均が高い方が良いので保護者は勉強させる脅しに使用しても良いでしょう。
お名前.comコロナの影響で保護者の経済的に厳しい状況が続いて大学生が大変だと言われますが、実際には奨学金の制度を知らないで発言されている場合もあります。今回紹介した制度以外にも第1種奨学金や第2種奨学金など大学生をサポートする制度が多くあります。ただし、これらの制度は年々変わっていることもあり、必ずHPを参考にしてください。もし不安なら学校に問い合わせると良いでしょう。ただ、この点は担任より事務の方が良いでしょう。