授業を受けて伸びる生徒と伸びない生徒
過去のblogで「受験では勉強時間よりも勉強量を増やす学習方法が必要」という記事を書いた中で、勉強量を増やすことが大事と書いています。そのため、今回は勉強量を増やす方法として授業について考えてみましょう。
まず、よく勘違いしている点は授業を受ければ受けるほど学力が伸びると考える点です。もちろん、何も勉強しないよりは授業を受けている方が学力は伸ばせます。また、学年が下がれば下がるほど授業だけでも学力は伸びます。一方で、高校受験や大学受験を考えた際に授業ばかり受けても思ったような成績にならないケースがあります。実際に、進学を意識した高校(コース)では7限授業+補習授業など詰め込んで授業をする場合があります。その場合に問題となるのは授業内容の消化不良を引き起こす可能性があります。
上の図はあくまでイメージですが、授業時間を増やし過ぎるデメリットは復習ができないことや苦手科目を重点的に学習できないことになります。ただし、学力下位層の場合はそもそも勉強時間が少ないため、授業を強引にでも受けさせる方が学習効果があるでしょう。一方で、学力中位層は授業を聞いただけでは定着はしないため復習は必須になります。しかし、授業が多すぎると物理的に復習する時間がない場合があります。結果として学力が下がっていくばかりになります。学力上位層に関しては授業を受けるだけで伸ばせる生徒もいますが一部だけです。やはり、復習時間の確保が難しいため学力が下がっていくことがあります。
では、授業時間を適度に変えればどうなるでしょうか?学力下位層は授業しか勉強しないこともあり伸びないことが多い。ただ、大きく変わってくるのが学力中位層であり、授業外で積極的に学習する意欲が高い生徒は大きく伸びますが、意欲が低い生徒はどんどん下がってしまいます。それを考えると、どちらが良いか難しいかもしれません。理想は、学力が低い段階では授業時間を多くとり、学力が伸びていけば授業時間を減らして必要な学習を取り組むことではないでしょうか。実際には、その舵取りが難しいのですが。
強制的な補習授業ばかり受講している生徒がよく「宿題も出されて、復習する時間がない」と嘆いていることがありました。もちろん、放課後に時間的余裕があれば勉強するとは限らないのですが…。そのため、学習意欲が高い生徒の場合は授業時間を受けすぎないことが勉強量を増やすコツになります。どうしても、授業では一斉形式なので受け身になりやすい点と授業の進捗速度が自分に合わないことが多いからです。そのため、授業時間と復習時間(自学自習)をセットで考えれば効果的な学習が可能です。一方で、学習意欲が低い場合は授業を受けた方が学力を伸ばせます。実際に、授業を受け続けることで慣れが生まれ学習量が増える中高生はいます。ただ、学習意欲が高くならないと期待する学力は手に入らないかもしれません。
まとめ
学習量を増やすためには自学自習の時間を確保する必要があります。もちろん、授業を受けることも大事ですが、やはり覚えこみや問題を解いていく力は授業を聞くだけでは身に付きません。そのために、今の自分は何が一番適しているかを考えて行動しましょう。