• 受験に必要な知識や参考書の評価を公開

推薦枠(AOなど)の増加で中堅国公立大学の魅力は衰退する可能性がある

推薦枠の増加は国公立大学のデメリットでは?

はじめに

国公立大学では推薦枠を平均3割にするため推薦やAO入試の拡大をしている。そのため、従来の前期入試を受験して合否が決まるだけでなく、早ければ年内には合格が決まってしまうケースが出ている。この推薦枠の拡大は多様な人材を得るメリットより、デメリットの方が多いのではないか?それについて考えてみよう。

国公立大学の現状

まず、それぞれの入試方式の割合から考えてみよう。2020年度の調査で以下のようになっている。

種別AO入試推薦入試一般入試
国立大学3.3%8.9%88.7%
公立大学2.9%25.0%71.8%
私立大学13.6%42.0%44.1%
全体10.9%34.1%54.9%

今後、国公立大学では推薦入試(AO・推薦)が増加傾向にあるが、問題となるのは私立大学との違いがなくなる点である。私立大学では推薦入試の割合が高いが内部推薦や指定校推薦入試がかなりの割合いるためである。そのため、私立大学の半数の生徒は筆記試験がない状態で進学していることがわかる。

国公立大学は知名度が低い大学であっても、共通テストを受験して入学しているから一定の学力があると考えられていた。一方で、私立大学は難関大学でも推薦入試で合格しているため学力がない生徒もいると考えられていた。そのため、国公立大学出身なら無条件でそれなりに学力が高いと判断され評価があったが、推薦入試が増加すればその現状も崩れる可能性はないだろうか。

生徒の質に変わりがないなら知名度の低い中堅国公立大学より難関私大の生徒の方が企業も魅力を感じないだろうか。確かに、地方では私立大学が公立化しているように、国公立大学に合格するから偉い!ではなくなっている。選ばなければ合格だけなら難しくはない。

国公立大学の初年度納入金の標準額は81万7800円であり、私立大学は135万7080円の平均と差は大きいですが昔と比べて国公立大学も学費が上がっています。ちなみに、関西大学が初年度121万7000円であることを考えれば、約40万円の差額になります。さらに給付性奨学金を活用すれば私立大学の方が約1万円高いことを考えれば差額は約30万円まで縮まります。もちろん、理系であれば国公立大学の方が有利でしょうが文系だけで考えれば難関私大をけって中堅国公立大学に進学するメリットは薄れます。

そもそも、推薦枠が増加すればそういう学校という認識になります。確かに東大や京大の推薦入試は準備などを考えれば難しいでしょうが、一般入試と比較してどちらが可能性が高いかを考えれば良いでしょう。

推薦枠増加の前提が間違っている

多様な人材を確保する狙いがある推薦入試ですが前提が間違っている気がします。大学は研究機関であり、高度な学びを実践する場所だという点です。もちろん、大学の多くはコミュニケーションの重視やモラトリアムを求める学生が多くいるのは間違っていません。でも、それは私立大学の下位層に任せましょう。それを国公立大学が取り入れる必要があるかの問題です。今まで、勉強面重視で偏差値偏重型の受験勉強ばかりで目的もなく大学に来ている生徒もいると批判されたこともありますが、その勉強を頑張った頑張りを否定してどうするんでしょうか?推薦入試は高校生活の頑張りなどを評価するなら受験勉強も頑張りの1つです。それななのに否定しては問題でしょう。

そもそも、その大学で勉強をしたいと思うなら必死に勉強すべきです。アドミッションポリシーを理解してとか言っていますが、では、そのアドミッションポリシーにのっとり大学側は何をしてどの様な結果がででているのか資料を公開していますか?少なくとも受験生は気づかない場所で公開しているでしょう。それより、その大学に合格したいから苦手科目も科目数の多さも周りの誘惑も乗り越えて頑張った受験生が本当にやる気のある生徒ではないでしょうか?むしろ、そういった生徒のやる気を削いでいる大学の授業に問題点がないかを見直さない点は不思議です。

どうしても、ごく1部の専門分野に特化した才能をもった高校生の能力を活かそうとすることはわかるのですが、それが推薦枠増加とは関係がないのではないでしょうか。むしろ、推薦入試の様な試験の方が苦手な子も多いのでは?

結果として、推薦枠が増加すれば、そういう大学であると判断します。残念ながら、私立大学で推薦入試が多い大学など「行ける大学」としか思えない点があります。そして、誰でも行ける大学だから学問的な分野での期待はしていません。むしろ、大卒の資格とコミュニケーション力が養えればと考えます。ただ、それも重要なことではあります。でも、それは国公立大学の役割ではないでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


%d人のブロガーが「いいね」をつけました。