最近の大学入試では入試方式や難易度で二極化が顕著になっておいる中で学生自身が低学力の場合が増えてきた。そのため、中高の補習を実施する大学があり批判されたこともあるが良心的ではないだろうか。実際には学力が崩壊した状態の学校もある。では、この様な状況で大学に何を期待したらよいのか?
ある大学の学校説明会に参加したことがある。正直、通常であれば説明会に参加しないのだが理事長からの依頼で参加することになった。そして、説明会の後に授業見学をさせて頂いたのでが…70人程度の人数だと思うのだが騒がしい…。先生の声が遮られるほどであった。特に、その大学が授業態度が悪いと言うわけでもなく、入試難易度が低い大学ではよくおきることである。なぜなら、高校が教育困難校の生徒であっても大学に入学することは難しくない。それらの学校の中には「授業中に私語=当然の権利」と思っている生徒も多いため、大学に入って授業を受けるスタイルが変わることはない。残念なのが、その中でも頑張ろうとしている学生もいるのが問題である。ある大学では、資格系の学部では他の生徒と別で授業するなど特別扱いしている場合もある。そのため、大学での少人数の授業は丁寧な指導とうより、そうしないと授業が成り立たない場合もあるのだろう(*その分、学費が高くなるが…)。
一方で、同志社大学にキャンパス見学(学校で)に行かせてもらった際に昼食時に抜け出して大教室での授業を見させてもらった。500~600人程度の授業であるが学生は静かに聞いていた。もちろん、携帯電話を触っている学生などもいるが、授業を聞かないにしても、その態度で差を感じた(*そもそも、授業を聞く気がなければ授業に出なければ良いだけ)。
では、どちらの大学の方に保護者として進学して欲しいかと言えば答えは出ます。高校生の中では意見が分かれるかもしれませんが、あまり授業は崩壊している大学には行きなくないでしょう。
しかし、授業が崩壊するのは仕方がないことです。なぜなら、在校生の大半が受験勉強をしていないためです。例えば、「戦後の日本経済は~」と先生が言っても戦後が何か判断することができません。また、「統計が~」と言っても割合計算すらできません。「抽象的な表現をすれば」と言っても抽象がわかりません。この様に、受験勉強をしていないために大学の授業を受ける素養が身についていない場合があります。
一方で、真面目に取り組む生徒は熱心に指導してもらえる可能性もあります。ある大学に進学した生徒は、高校時代は学力はなかったのですが、大学に入学後に成長が実感できるほど大人になっているケースもあります。それに対して、有名大学では在校生が多いこともあり、自分から行動ができないために満足する成長をしないケースもあります。
ここから、Fランクの大学が全てダメというわけではありません。在校生に対するケアの仕方は有名大学にはないぐらい丁寧な大学もあります。そのため、人間性が驚くぐらい成長する場合もあります。ただ、それがどの大学かを見つけるのが大変なだけです。
大学は入試制度の影響で推薦入試の入学者が増加するなどニ極化している印象があります。それは、一般入試でも同じことが言え、中堅私大以下では入試の難易度に「?」になる場合もあります。
極論から言えば、定期テストで80点以上が合格であり、たとえ79点であっても0点と同じ不合格のような印象を受けます。つまり、大学受験勉強を本気で取り組むか取り組まないかの二者択一になりつつあります。入試の難易度が下がれば下がるほど難関大学への志望者が増えます。それは、どうせ受験勉強を頑張るなら結果を残したいからです。そして、やはり頑張り切れない受験生も多くいるのも事実です。そのため、中堅層で大きく崩れ始めている感じがします。
例えば、共通テストで受験科目が50%以下の得点率でも京都産業大学までなら合格する受験生を見ることができます。もちろん、全員が全員合格するわけではなく、一部とはいえ合格してしまうのです。明らかに、勉強に対する姿勢はよくないのですが…入試直前でも受験勉強以外のことをしているような…。中には理系大学などにも合格するのですが、それで留年しない大学なら逆に評価を下げるのですが。
このように、「勉強するか」or「勉強しない」の2択になりつつあります。「勉強しない」を選択したなら大学では対人コミュニケーションを磨くことが大事でしょう。大学時代に多くの人のであったり経験することはどの学力の大学でも関係ありません。それにより人間性を高めることができます。このコミュニケーション力は就職活動でも重要になるでしょう。「勉強しない」を選択した以上は専門知識に関しては深まらない可能性があります。講義内容も学生の学力に合わせるため、必死に自分で勉強しないと専門知識が身につかない可能性もあります。もっとも、経済学を学んだから経済学に関する企業に就職するわけではありませんが…。
関西の私立大学で看護系の学部が新設ラッシュになったさいに既存の大学は国家試験の合格率や就職支援、教育などをアピールしましたが結果として新設の同志社女子大学や武庫川女子大学の偏差値が高くなったことからわかるように、高校生は内容より学歴を重視することがわかります。もちろん、看護であれば資格を取れば大学にこだわる必要はないのでしょうが…。でも、国家資格系でないなら学歴は大事になります。二極化しているからこそ、受験勉強を頑張れるならとことん頑張りましょう。でも、満足いかない結果になっても大学生活の向き合い方で成長は変わります。