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高校での「総合的な探究の時間」は生徒の主体性・学力を伸ばすことができるのか?

総合的な探究の時間の問題点を考える

はじめに

高等学校の「総合的な学習の時間」は、2022年度から「総合的な探究の時間」になり、生徒が主体的に課題を設定し、情報の収集や整理・分析をしてまとめるといった能力の育成を目的としています。では、この変更に問題がないかを考えてみましょう。

「総合的な探究の時間」は成功する?

「総合的な学習の時間」から変更して「総合的な探究の時間」に変わりますが、そもそも変える必要はあるのでしょうか?これは他教科にも言えますが、日本史が日本史探求など「探求」という言葉をつけていますが、生徒が主体的に課題を設定し、情報の収集や整理・分析するような授業が展開されると思いますか?そもそも、「総合的な学習の時間」では問題となったのは修学旅行・文化祭の準備・合唱コンクールの練習・漢字や計算などの自学などに使われていたこともあります。でも、おかしいのは、生徒自身が文化祭を成功させるために何が問題で、どの様に対応すべきか考えれば探求と同じではないでしょうか?実際に探求が始まる際に、ある高校のインタビューをテレビで見ていると、スポーツ系のコースではコースの特色を活かして部活に関することを取り扱うと言っていました。ということは、単純に部活動の時間が増えるだけでは?と考えてしまいます。

まず、文科省の提言を考えると、生徒が主体的に課題を設定し、情報の収集や整理・分析と言いますが、多くはまとめページを探すのではないでしょうか?例えば、私たちは資料として文科省のページを探して数値を比べて考えますが、ネット上にはそんなことをしなくても「まとめページ」が溢れています。では、これをもって情報の収集・整理と言えるのでしょうか?

極論を言えば、好きなアーティストについて調べることも探求になります。実際に大学では研究テーマにできますが、それを認めてくれるのですか?「対戦型の携帯ゲームをすればクラス内のコミュニケーションはどの様に変化するのか」をテーマにすれば立派な研究資料になります。だから、授業中にゲームさせてくださいと言えば認めてくれるのか?

結局のところ、教員がある程度筋道を立てた中でテーマを考えるだけになる可能性があります。しかし、主体的に課題を設定し、情報の収集や整理・分析したからと言って学力が上がるわけではありません。実際に、多くの中高生は自分の好きなことに興味を注いで調べています。でも、学力が伸びていないことがわかります。

探求の最大のデメリットは時間

文科省の理想と現場の現実が乖離しすぎていると感じます。まず、主体的に課題を見つけることは難しいです。確かに、それなりの学力がある高校では自分たちで行動することができます。実際に、アクティブラーニングの授業見学で成功している学校は比較的に上位層の高校ばかりです。見学したことを自分たちの高校で実践できるかと言えば無理でした。まず、知識がありません。例えば、ウクライナ問題を調べると言ったところで、自分が住んでいる都道府県の場所もわかっていないのにウクライナの問題がわかりますか?

そして、最大のネックは探求を本当にすると時間がかかり過ぎる点です。自分のクラスでも知らないうちに探求の様な授業をしている科目がありました。放課後に発表する時間まで設定していましたが、残念ながらヤフー知恵袋やウキペディアをまとめた資料を全員が発表するだけでした。もちろん、1から調べたら凄いのでしょうけど写しただけで理解していないなと感じました。もっとも、ヤフー知恵袋で質問して誰かに答えてもらうと発想できる力が欲しいなら別ですが。ただ、そのために授業が何時間も潰れただけでなく放課後も準備・調べものに時間を割いていました。

では、高校生の多くが授業外で調べもの・宿題を積極的にしますか?もし、「する」と考えているなら比較的恵まれた高校にいるのでしょう。私たちの感覚は「しない」です。そもそも、家庭学習時間は15~30分ぐらいですから、探求をすれば他教科の勉強ができません(*もっともしませんが…)

結局のところ、骨抜きの授業になる可能性があります。

実際に、出版社からの例では「面接試験に合格するコツは?」「これからの社会で求められる力やスキルとは?」「いじめや自殺や体罰について親や先生がダメだって言うだけで止まるものだろうか」「SDGS」「地元の文化」など方向性がよくわからないです。

そのため、「総合的な探究の時間」が何の時間かわからなくなる場合があります。もちろん、ある程度学力がある子どもにとっては知識を増やせて楽しいのですが、学力がない・欠席が多い生徒はどうすべきでしょうか?どの様に組み込むかが高校の手腕の見せ所ですが、結果として高校教員の負担が増加しているだけの気もしますが…。

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