関西の国公立大学には大きな壁が存在しています。その壁の差は何かを考えてみたい。単純に序列だけではわからない壁を考えてみましょう。
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まずは、主要な関西の国公立大学の難易度を考えてみましょう。
大学名 | 共通テスト得点率 | 2次偏差値 |
京都大学 | 88~93% | 69~76 |
大阪大学 | 75~87% | 61~71 |
神戸大学 | 79~88% | 62~68 |
大阪公立大学 | 74~85% | 63~69 |
京都府立大学 | 77~80% | 59~66 |
同志社大学 | 82~92% 共通テスト利用入試 | 66~74 |
医学部などを除いて主に文系の共通テストと偏差値の目安になります。学部ごとに差があるので一概には言えませんが難易度の差がないように思えます。ちなみに、大阪大学の75%と低いのは外国語学部の影響になります。外国語学部は旧大阪外国語大学であり主要キャンパスから別にあり北大阪急行の延伸も時間がかかっていることからマイナー言語では人気がありません。では、本当に上記の表の様な難易度かと言えば全く違います。
単純に偏差値だけを見れば同志社大が大阪大学より難しいことになりますが、決してそんなことがありません。それは、科目数の負担によって変わってきます。
大学名 | 主な共通テスト科目数 | 主な2次科目数 |
京都大学 | 5教科8科目 | 4 |
大阪大学 | 5教科8科目 | 3 |
神戸大学 | 5教科8科目 | 3 |
大阪公立大学 | 5教科8科目 | 2 |
京都府立大学 | 3~6科目 | 3 |
同志社大学 | 4~5科目が中心 共通テスト利用入試 | 3科目 一般入試 |
科目数を比較するとバラツキがあることがわかります。同志社大学が偏差値が高いのは3科目だけの勉強で良いだけでなく共通テスト利用者は京都大学・大阪大学希望者が出願するため高いだけになります。
一方で京都大学は2次科目が4科目の場合が多く他の国公立大学と一線を画しています。一方で、大阪大学と神戸大学では同じ科目数ではありますが、2次勝負なら大阪大学・共通テスト逃げ切りなら神戸大学が基本になります。それほど大阪大学の2次は難しいです。そして、大阪公立大学は2次科目が少ないため受験生の負担は軽いことがわかります。京都府立大学は共通テストで失敗しても4~5科目採用なので主要3科目をしっかりしていれば狙えます。
まず、国公立大学2次試験対策で2科目か3科目では受験生の負担が大きく変わります。その壁の大きさは見た目には現れません。また、京阪神大は3科目をしっかりと仕上げるから同志社大学には合格できますが大阪公立大学の希望者の中には仕上げきれずに合格できない場合もあります。
偏差値はあくまで目安であり、本当の学力差を意味しているわけではありません。なぜなら、共通テスト模試や記述模試で出題される問題は難問は少ないです。それでも、高校3年生の1学期の模試平均が50を下回っているレベルですが、残念ながら京阪神大や同志社大学では基本問題はできて当然になっています。そのため、極論を言えば共通テストで満点だからといって京阪神大・同志社大学の過去問で合格点を超えると言うことはありません。あくまで、合格水準の基礎力があるとわかるだけです。
そのため、偏差値が高止まりしてしまうため見た目には差がない様になるだけです。実際には大きな学力の壁があります。実際に問題を教えればよく実感ができます。
これは取り組んだ受験生にしかわからない壁ですが、この壁に挑んだからこそわかるとも言えます。当然、その力は大学でも発揮してくれるでしょう。