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入学式前に制服が届かなかった問題から考える業者以外も抱える問題【教育コラム】

制服の問題を考える

はじめに

東京の「ムサシノ学生服」が受注した制服が中学校や高校の新入生の入学式までに届かなかった問題が発生した。説明が遅れた問題はあるとして、今回の問題で考えなければならないことについて考えてみよう。

少子化で制服は儲からない

総務省統計局調査をもとに公正取引委員会が制服販売価格の全国平均額推移では平成28年には男子3.3万円、女子は3.2万円となっています。もちろん、私立であれば更に金額が高くなる傾向にあります。では、この金額が割高と言えるのでしょうか?

まず、夏用と冬用のスカートやズボンがありますが、基本的に1回購入すれば3年間使用することになります。では、サラリーマンのスーツを考えると平均2~3年で買い替えであり、最低でも3着以上は保有していることが求められます。そして、一般社員では1着28,946円のスーツを着ています(*シャツなどは別)。この点から考えると学生服が割高とは考えられません。むしろ、安い印象を受けます。もちろん、ユニクロなどの私服で良いのではないか?という意見もありますが、「制服に対する高校生のニーズは高い」ということを忘れていませんか?そして、私服での登校なら制服がない時より多くの私服を購入することになります。結果として割高になる可能性は否定できません。そもそも、高校生の場合は入試や就職活動の時に面接をどうするのですか?結局、それに見合った服や標準服を購入することになり割安とは言えないでしょう。

ただ、「指定販売店の見直し」に関して消極的であるのは事実であるが、子どもの数が減少傾向の中で制服の安値への圧力・制服の高度化・多様性に合わせた服など企業にとって割に合わなくなっている事実を忘れてはいけません。確かに、多様性を求めることは良いのですが、ジェンダーレスに対応するための制服を制作していますが、このコストは誰が持っているんのですか?業者負担になる場合が多いのではないでしょうか?

また、公立などでは入札制度を導入している場合がありますが、入札で安価な商品・サービスが提供されることはありますが、一方で質まで維持されているかは別問題です。実際、卒業アルバムが入札制度に変わったために多少の混乱があったこともあります。

学校側の責任が明らかになっていない

「ムサシノ学生服」が対応が遅れたことは事実でしょうが、気になるのは発注は学校側である。もし、あなたが家を建てる○○社で依頼をした際に想定外の工期が遅れた場合は下請けの現場で働いている人にクレームを言いますか?そうではなく、○○社にクレームを言うでしょう。同じように、制服を発注しているのは学校側である以上に状況把握・生徒対応に学校が動くべき点もあると思います。

「ムサシノ学生服」の2021年7月期は売上高17億6329万円に対して最終利益237万円と明らかな薄利多売になっています。そのため、日程が短期間であり余剰在庫を抱えきれない販売元からすれば無理が出たのでしょう。ただ、心配なのは今回の件で業績の旧悪化が発生した場合に代わりの業者を見つけることは簡単なのでしょうか?今回の騒動は販売元だけに責任があるのでしょうか?コロナ感染者がでれば工場は操業を止める場合を考えれば短期間の発注は厳しいでしょう。そもそも、学校側が制服が届いているかどうかを把握していないことにも問題があるでしょう。もちろん、保護者から連絡はあったでしょうが学校側の動きも遅かったかもしれません。

制服を安く…安くの圧力はわかりますが、それなりに代金を支払わないと良いものは手に入らないことがわかります。もっとも販売会社からすれば製造会社の責任もある気はしますが…。どうしても消費者は受注(販売)も製造も一貫して同じ会社でやっていると思ってしまう点もあるので。

ただ、一般企業であれば発注元が責任があります。そのため、学校側も販売代理店として指定した以上は被害者ではなく選択した責任があることは心にとどめておきたい。

学生にとっては災難でしかありません。

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