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AO入試・指定校推薦入試の学生が一般入試の学生より成績が良いこと事態が問題だと気づかない大学の危なさ

推薦入試を考える

はじめに

推薦入試の拡大によって早稲田大学や東北大学ではAO入試で入学してきた生徒の学力(GPA)は一般入試の学生よりも成績が高いと公表して、「AO=勉強ができない」ではないことを主張している。でも、その言葉の裏にある危なさについて理解していないことが危ない。

AO入試で募集する生徒の目的が違う

AO入試では本人のやる気(学習意欲)や1つのことに才能がある人材を合格させる目的であったはずである。例えば、ドラマ版の『ドラゴン桜2』では原健太の様な人材である。

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また、長期間のインターンの様に大学で学んだ生徒から学習意欲が高い高校生を選ぶなら理解できるが、書類審査(*専門の塾で指導してもらえる)や面接でやる気を見つけるのは難しくないだろうか?多様性を求めているはずが、コミュ力の高い高校生が合格しやすくなるのではないだろうか?結局は、数学オリンピックなど目立つ成績の学生は1部しかいないことを考えれば全ての学校でAO入試を導入する理由がわからない。

さらに、スポーツや芸能活動の分野で秀でた才能を発揮していても大学は学問を学ぶ場である。そのため、学問に関係ない分野で評価されても入試で優遇するのはどうなのだろうか?多様性を重きを置くなら、色々な分野の人と交流できるような授業を企画すれば良いだけでは?単純にスポーツなどで知名度を上げたいだけでしょう…だから私学ではスポーツ系の学部もつくっているのでしょうが。

一般入試生徒の前提を考える

普通に考えれば、一般入試の入学生は2月~3月まで受験勉強をしている。一方で、AO入試・指定校推薦入試は7月頃には切り替えている場合が多い。そうすると、半年以上の学習期間の違いがあることがわかる。特に、高校3年生の夏以降の追い込みは最も勉強をする時期である。

そう考えると、単純に一般入試で入学してきた生徒の方が勉強量が多いことがわかる。そのため、入学時の学力が高くなるだろう。実際に、一般入試で受験したことがある大学生は遊びまわっている周囲に流されずに頑張った経験があるだろう。

そう考えると、学力が高い状態で入ってきた学生にも関わらずに在学中に成績が下がるのは授業の質が悪いと言えないだろうか。そもそも、高校生が考える学問は実際に大学で学べは違うことが多い。例えば、「産業構造理論」を学びたいと思っても教授が教育力・人間性がダメな場合もある。そんなことは、パンフレットでも説明会でも話してくれない。ある大学の先生が「留学生と交流できると言いながら実際にはできていませんでしたが、来年度から交流ができるようになりました」とアピールしてきたが、これまで交流できなかったんだと失望したこともある(*パンフレット・説明会と現実は違う)。そのため、AO入試だろうが一般入試だろうが想像と現実は違うことがある。そのため、「学ぶ意欲」という曖昧な判断ではできない。そう考えると、一般入試の入学生をダメにする教育の原因は何か?

一般入試の学生が勉強をしなくなる理由の①燃え尽き症候群、②コミュニティーの弱さ、③禁欲的な生活からの反動かもしれない。まず、②のコミュニティーの弱さは一般入試の場合は知り合いがいない場合が多い。指定校推薦入試なら同じ学校出身者も多いだろうし、AO入試で合格する場合はコミュ力が高い場合がある。私大なら内部生が固まっている光景を見る。そのため、コミュニティーの弱さは情報を得る等の点で弱さがある。③は受験勉強が終わったから遊びたいことがわかるので反動もあるが、これはどの大学生にも当てはまるので何とも言えない。問題となるのは①の燃え尽き症候群ではないだろうか?

受験勉強が大変だから燃え尽き症候群になること自体は間違っている気がする。そもそも、社会人に聞きたいのは、「あなたの職場で目標は何ですか?」という点である。多くの大人が高い目標をもって働いているのではなく、給与を貰うために働いている。そのため、大学に入った後に何をするか?と悩ませるのは大人が子ども達に「何かなるために生きなさい」を強要しているからである。そのため、どの入試区分でも同じである。ただ、違うとすれば一般入試で合格した人間は勉強をやり切ったという思いがある。でも、実際に大学の授業を聞けば、拍子が抜けるぐらい難易度が低い場合がある。

例えば、私自身も1年生の時に履修忘れで2年生で再履登録で英語を受講したが難易度の低さに驚いた…。それが再履科目だから仕方がないと思いたいが、専門科目であっても懇切丁寧に教えているケースが多い。それでも推薦入試は少数であったために授業の質は高かったが…(当時の留年率が30%程度)。でも、今では推薦入試での入学生が増えてきている以上、授業アンケートなどの影響もあり授業の内容を簡単にしているケースもあるだろう。結果として、学力の高い生徒の学習意欲を削いでいる可能性はある。

GPAでは測れない学力

アメリカの様に単位をあげないケースが多く勉強を必死にしなければならないならGPAが直接学力に結び付くだろう。でも、日本では単位取得は難しくない…。よくよく考えれば、高校の評定平均であっても信用できないのだから大学のGPAも目安でしかないだろう。

高校で「評定平均が高い=学力が高い」は成立するでしょうか?普通に考えれば、高校3年時は受験科目を優先するため受験勉強に必死な受験生は評定平均は高くありません。一方で、高校のテストだけ頑張った高校生は評定平均は高いが実力は高くないことがあります。所詮、高校のテストは範囲が決まっている中から出題されるだけの問題です。どちらが難易度が高いかわかるでしょう。

そのため、大学でも授業を聞いていればそれなりの点数になります。この点に関しては指定校推薦で入学した生徒など得意でしょう。また、どの科目を選択するか、過去問を入手するか(*医学部で例年同じ問題が使用されていたことが問題になった)など情報も指定校・内部推薦・AOが有利でしょう。そのため、何をもって学力が高いかどうかわかりません。むしろ、研究者養成のための大学院にどれだけの割合が進学したかが重要です。そもそも学ぶ意欲が高いなら大学院進学するのでは?(*モラトリアム的な大学院は違います)

最後に

AO・推薦入試をアピールすればするほど、高校生の青田買いを正当化しようと必死になっている様に見えます。問題は、一般入試で入学してきた生徒を伸ばせていない点を改善する気はないのでしょうか?その点を諦めた大学に未来を感じません。そもそも、AO入試や指定校推薦入試を2月に移動させれば良いだけのきがしますけど…。それなら、数ある入試方式の中で最終的に自分にあった方法を選んだとわかります。

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