近畿大学が志願者数日本一が話題になった頃に、近畿大学の人気が高まって関関同立に追い付くと本気で考えていた受験生や教員もいた。ただ、現実的には依然として近畿大学と関関同立の間には差がある。では、この追いつけない差は何かを考えてみよう。
近畿大学など多くの大学では併願制・高得点方式を採用しているため何をもって志願者数日本一かわからない場合があります。確かに、志願者数日本一になっていても受験料収入の総額ではトップでないかもしれません。そのため、志願者数日本一が問題より、合格最低点がどの様に推移しているかが重要に感じます。ただ、志願者数日本一になれば話題性はあるので生徒は集まるかもしれません。
では、近畿大学が志願者数が上がり入試の難易度が上がれば受験生の考え方は変わるのでしょうか?まず、考えられるのは近畿大学を受験しようとしていた受験生が敬遠する可能性があることです。例えば、関西大がの滑り止めに考えていたはずが難易度が上がれば滑り止めとしては難しすぎると考えるでしょう。また、産近甲龍レベルの大学に合格したい生徒は難化した近畿大学を避けるでしょう。実際に、私立大学の入学定員厳格化の際には入試難易度が一時的に上がりましたが、ある程度は元に戻っています。
この点を考えると関西大学と近畿大学の両方を合格したが、最終的に近畿大学を選ぶ学生が増えないと追いつくとは言えないでしょう。
産近甲龍レベル以下の大学では公募推薦入試が広く実施されています。もちろん、近畿大学や龍谷大学の合格最低点を見ると依然と違って難易度が上がっていると感じます。ただ、関関同立は公募推薦をほとんどしていないことを考えれば、入学定員を何で埋めているかの問題になります。結果、公募推薦入試を実施している大学が一般入試メインの大学を上回るのはイメージできないでしょう。
そのため、関関同立が受験生確保のために公募推薦を実施した場合は近畿大学が浮上する要因はあるかもしれません。また、一番不安定なのが関西学院大学で推薦入試の割合が高すぎる点です。そのため、「関西学院大学=推薦入試の大学」という印象が強くなれば逆転現象が起きる可能性もあります。実際に、関西学院大学を受けるなら「推薦入試か共通テスト利用入試」のどちらかの印象が強く感じます。
志願者が集まり難易度が上がれば、従来の受験者層が受験しなくなってしまいます。これは避けられなジレンマでしょう。ただ、志願者が集まっている以上は人気があるため長い目で見れば上昇傾向にあるかもしれません。まだまだ、追いついたとは言えませんが今後も伸び続けるかどうかは近畿大学の教育力の見せどころでしょう。