推薦入試が増えていると言いながらも大学受験することが普通ではないのか?と考えている中高校生も多いでしょう。実際に、難関大学では一般入試が中心であるが、それでも推薦入試が増加している。本当に受験せずに大学に進学する高校生は増えるのか?
受験勉強がいらない入試は、総合選抜型(AO入試)・学校推薦型(指定校推薦入試・公募推薦入試(一部))である。これらの入試を利用して入学した割合は2020年で45%であるが、私立大学だけを見ると55.6%と高水準である。つまり、高校生の2人に1人は受験勉強をせずに大学に入学していることがわかる。
総合選抜型(AO入試)ではオープンキャンパス型や体験授業型など学力試験がなく高校の成績さえ関係がない場合が多い。一方で指定校推薦入試では学校の成績だけ良ければ問題がない。そのため、受験勉強をしたくない生徒にとって好評の試験方式である。
そう考えると、総合選抜型(AO入試)では上位校を受験する場合のみ対策が必要だが、小論文などの文章やプレゼンなどの力なので従来の受験勉強とは異なる。一方で、指定校推薦入試の場合は高校受験は頑張る必要があるが、高校入学後は学校の成績だけ良ければ良い場合が多い。そうすれば受験勉強が必要になくなり、受験が終わるのも早い。
推薦入試では学力が不安視されているが、国は推薦入試を拡大していく方針である。流石に、国公立大学ではAO入試の課題は難しいが、だが一般入試より受験しやすいのも確かである。
ある国公立大学の医学部でAO入試が実施されていた。学力に関係なく「本人のやる気」だけで合格できるわけだが、患者の立場として治療を受けたいだろうか?もちろん、国家資格を取得している以上は医師として働く知識はあるが、やはり不安な点は感じる。それは教員でも同じであり、教員免許を持っているから教科指導力があるとは言えない。特に、受験を経験していない教員が受験指導をするとズレている場合が多い。
この様に考えれば推薦入試は良いのか?と思う側面はあるが入学すれば同じなので受験生にとっては有難い制度であろう。