佛教大学は一昔前はそこまで注目がされない大学でしたが、教育学部や歴史学科の人気などにより産近甲龍佛と呼ばれるほど偏差値が急上昇しています。では、本当に産近甲龍に並ぶだけの力があるのでしょうか?
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佛教大学は仏教学科を除くと偏差値51~68で推移しており、特に教育学部に人気がある状態になります。また、保健医療技術学部で医療系の人材を育成するなど一定の人気学部を保有しています。ただ、教育学部が牽引していた印象は強いが(*確かに佛教大学の先生の講演は面白かった)、教員の勤務実態や難易度の低下など急速にメリットがなくなってきたのも事実である。
同法人が設置している高校は東山中学・高校や京都華頂高校などであるが内部進学というわけでもないので推薦比率は高くない(*公募推薦の割合は高い)。そのため、それなりに受験勉強をしてきた生徒が入学をしている印象である。ただし、立地面では京都市バスを使う必要があり、立命館大学と比較的近いが兵庫県や大阪南部の生徒の受け入れは難しい。その割には善戦しているといえる。
全体の就職率は高いのはどの大学でも言えることなので比較にはならないが、看板の教育系を考えてみたい。2020年度卒業生で教員関係が211名だから割合は高いだろう。ただし、非常勤講師を含めている点から数値が高いかどうかわからない。なぜなら、非常勤講師はある意味で数合わせでもあるので採用時に試験をしていないケースが多い。名簿に登録すれば完了の場合が多い。そして、教育学部教育学科で小学校68名に対して中学校6名、高校1名であることを考えれば人手不足の小学校での勤務が多い。ただ、今後は教員人気がなくなることを考えれば偏差値帯の上限も落ちてくる可能性が高い。
やはり、佛教大学も数年前の私立大学の入学定員厳格化の影響で関関同立・産近甲龍の急激な難化で受け皿になった大学である。この動きは落ち着きを見せていることを考えれば、京都産業大学との受験者の奪い合いになるかもしれない。大阪方面では大和大学・大阪経済大学が調子が良いことを考えれば楽観視はできない。ただ、京都の大学に行きたいニーズはとらえられ、地方出身者をどれだけ抱え込めるかが勝負だろう。
お名前.com立地面で悩ましい点はあるが、入試問題を比べた際にしっかりした問題を作成している印象がある。受験生に勧める際に入試問題の質は大事である。難しいなら難しいなりに理由があれば良問であるが、簡単すぎる大学は評価ができない。そのため、綺麗な問題(*普通に勉強していけば合格ができる問題)の大学は高評価である。
佛教大学に関しては、多少は癖がある問題があるが難易度的には京都産業大学や龍谷大学と似ている印象を受ける。受験生に解かせると、大和大学や大阪経済大学より難しく感じる問題が多い。そのため、入試問題としては産近甲龍佛と呼ばれることも納得できるが、立地的な問題からここから爆発的に上昇するかは疑わしい。
これまでは、近畿大学や龍谷大学の受け皿であったが佛教大学の難易度が上がれば受験生が減ってしまうリスクはある。もし、関西大学の受け皿にするなら佛教大学より近畿大学か龍谷大学を優先するだろう。そういった意味で、小学校の免許が取得できる教育学部は人気なのだろうが、ここも大和大学の台頭で激化することになるだろう。
ただ、問題がしっかりしているので受験させやすいことを考えれば大きく難易度が落ちるとも考えられない。そのため、京都産業大学と摂神追桃らへんをウロウロすることになるだろう。もっとも、学部間の難易度の差が大きすぎることから人気学部に依存している気もする。