観点別評価は観点別評価とは、学習指導要領に示された目標や指導事項に照らして,「知能・技能」「思考・判断・表現」「主体的に取り組む態度」に分けて学習者がどれだけ実現できたかを評価する方法である。この観点別評価に馴染みがない保護者達からすれば何が変わったのか?と思う点も多いが今回は観点別評価の導入が生徒の学力向上に結び付くかを考えてみたい。
これまでは、定期試験70%+平常点(出席点・提出物・小テストなど)30%などで成績をつけていた。学校によってはテストの点数の平均点=成績の場合もあったかもしれない。しかし、「知能・技能」「思考・判断・表現」「主体的に取り組む態度」を評価するようになって成績のつけ方も嫌でも変わってくる。
しかし、中学校のテストなどは「知能・技能」「思考・判断・表現」と分けて点数化している学校もいるが問題文を見た際に依然と大きく変わっていないと感じる。例えば、漢字など覚える内容は「知能・技能」として点数化されるが、記述問題などは「思考・判断・表現」として点数化されるが、では以前と何が大きく違うのかは不明瞭な場合がある。そのため、枠組みに強引に当てはめた程度の場合もある。この様に考えると、テストに関しては大きな問題はないが観点別評価をするための評価点をつくる必要があります。例えば、レポート発表やグループワーク、作品制作や表現活動、授業中の発言、復習の徹底、など単純に授業+出席点(ノート点)で良かったものに負担が増加していることを意味します。
話を聞いていて疑問に感じたのは、ノートの取り方などを評価する先生もいるらしい点です。例えば、授業中に書いた内容だけでなく授業中の補足や教科書内容を深堀して書き込むなど主体的と言いながらも作業をさせている点です。ノートに関しては授業内容が理解できれば、極論的には写す必要もありません。ただ、学生らしくするためには板書を移すぐらいはした方が良いでしょうが理解している内容を補足していく必要はあるでしょうか?この様な生徒が大学生になった際に、板書してくれない授業ばかりなので戸惑わないのでしょうか?
この様に、提出物や発表準備、調べもの学習などが増えた印象です。ただ、この様な学習では学校推薦型入試では良いのかもしれませんが一般選抜型入試には負担でしかないでしょう。考えて欲しいのは、入試直前期に調べもの学習やプレゼンの準備で放課後の時間が削られ受験勉強をする時間が減った場合はどう感じますか?もし、これらの内容が学習効果が高いと考えているなら入試直前でもどんどん取り組むべきでしょう。でも、実際に取り組まれると受験生は負担でしかないと考えるのではないでしょか?
ドメイン取るならお名前.com観点別評価が最も有効なのは小学生ではないでしょうか?特に受験を意識する必要がないのであれば楽しく学ぶことは重要です。もちろん、グループワークなど対人的な関係が苦手な生徒にとっては苦痛でしかない顔しれませんが…。ただ、だからと言ってPDCAが回せるとは思いません。そこまで簡単案ことではないでしょう。そもそも、評価の仕方とアドバイスに膨大な時間がかかるのでは…当然、観点別評価の考え方を事項するなら個別面談も繰り返しながら勉強のアドバイスをするべきでしょうが…そんな時間はないでしょう。
以前、アクティブラーニングが注目された際に導入している授業での研究授業があった。実際に授業を見学すると寝ている生徒は少ない(*ただ、教室の後ろに多くの教員がいるから普通は寝ないか)。一方で、グループワークをしながら取り組んでおり楽しそうに授業は受けていることを感じた。もちろん、授業に関係ない私語などが散見されるが、それも含めた授業なのでしょう。そして、研究授業の総括で成績が伸びていることをアピールされましたが、それは「単純に授業時間で教えている内容が少ない=定期試験の成績は伸びる」だけの話です。もちろん、学力低位層にとっては授業に参加するモチベーションになりますが、上位層は学力を伸ばすチャンスを失っているとも感じます。
これと同様に、観点別評価導入を意識しすぎると課題の負荷がかかるケースやプレゼンなどで準備と発表を聞くだけの時間が増える可能性があります。そうなれば小学生は良くても中学生、高校生はどこかで学力を補うしかありません。
でも、そもそも学生の学力は低下したのでしょうか?文科省は推薦入試を国公立大学でも拡大させている様に勉強しなくても大学にいける状態にしておいて学力低下とは?また、日本に来る留学生への支援は大きいが海外に行く日本人の支援が少ない様、研究職の待遇が悪いから優秀な人材は研究職にならない等の問題の方が大きいのではないでしょうか?
観点別評価が悪いと言うより、枠組みありきで無理やり当てはめている感が気になります。もちろん、慣れていくのでしょうが、ゆとり教育やアクティブラーニングなど影が薄くなったものも多くあります。果たして成功するのでしょうか?