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小中学校での不登校生徒が増加しているが深刻な理由

不登校生徒の問題

はじめに

2021年度の全国小中学校の不登校生徒は前年度から2割増加して24万4940人と過去最多になっている。小学生では8万1498人(前年度比28・6%増)、中学生は16万3442人(同23.1%増)でいずれも9年連続で増加している。では、不登校生徒の増加はどの様な問題があるのか考えてみたい。

いじめ問題と別に考える

深刻ないじめ問題がニュースになると、学校に行かなくても良いという選択肢を主張する場合もあるが、不登校の問題はいじめ問題と切り離して考えた方が良いでしょう。確かに、いじめ数は増加傾向にあるが、いじめに関しては公表していこうという流れになっており、SNSなどの浸透により学校内で処理するのは難しくなっているので細かいことでも公表する動きになっています。そのため、数値が増加傾向にあるのでしょう。もちろん、未だに隠蔽体質の学校は存在していますが、そもそも暴行や暴言などは学校内で解決しようとしなければ良いのではないでしょうか?そのため、いじめ問題は警察や外部団体に頼るべきだとは思います。

では、実際に不登校の生徒の理由は何かと言えば「無気力や不安」が過半数に達しています。

保護者が辛い立場に

不登校になる原因が子どもによって違います。そして、ストレスの感じ方も個々に違うので一概に不登校が悪いとは言えないのも確かです。ただ、そのために見過ごしている点もあります。

まず、子どもが不登校になった場合に本人を除けば一番苦労するのは保護者になります。「学校に行きなさい」「行きたくない」の押し問答が続いたり、無気力すぎて心療内科に通わせている保護者もいるでしょう。担任の先生も心配はして対応はしていますが最前線で苦労するのは間違いなく保護者になります。そのため、保護者が孤立をして学校関係を投げてしまうのが一番損することになるかもしれません。

保護者の中には学校関係で子どもと言い争いになって家の雰囲気が悪くなって限界だから子どもに任せる(学校に行かない選択肢を入れる)場合もあります。この点は価値観の多様性から不登校であることは珍しくなっていないので、ハードルが下がった言えます。

ただ、不登校になった際に子どものケアをどうするかという問題が残っています。学校に行かないから家で自由にお留守番では解決になりません(*もちろん、時間が経過して子どもから学校に通い始めることも多いのは確かです)。代わりに何かをさせるべきですが、この点に関してもフォロー不足ではないでしょうか?家庭任せになっていないでしょうか?

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勉強面と社会性を補えるか?

高校段階で同じような学力の生徒がいたとしても、小学生の頃から不登校であった生徒と中学生の頃から不登校だった生徒では勉強に対する理解度に大きな差があります。どちらも不登校で勉強をしてこなかったため、高校生レベルでは学力は低いのですが大学受験を目指して指導した際に両者を比べると苦労の仕方が違います。

そのため、小学生段階の基礎学力が重要であることが身に染みて感じました。不登校になってしまった場合に学校に行かない代わりに同水準の勉強時間を確保できるかが問題です。たとえ、フリースクールや塾などでも勉強をしておけば高校から学校に行こうと思った際に学力面ではスムーズになります。一方で、何もしてこなければ壁は大きくなります。

また、学校に通うことは社会性を身につけると言われますが、確かに授業崩壊しているクラスなどでは社会性を学ぶのは困難だと思うので、学校に通えば単純に社会性が身につくわけではないでしょう。しかし、やはり不登校になって家族とだけ関わるのは避けたい所です。できれば、多くの場所や人に出会った方が良いでしょう。誰もが身内と外では対応が違うように、内と外を学ばせるのも良いでしょう。そうすれば学校だけでなく、ある程度は社会性もみにつけます。

実際に、高校からやり直している生徒は多くいます。出席率の悪くないクラスの生徒に面談をしていたら半数ぐらいが不登校の経験がある場合もあります。そのため、やり直しはできます。

ただ、子どもの数が減っている中で不登校生徒の人数が増えている点は気になります。本当は不登校にならずに学校に通えた生徒も多くいたのではないか?と感じてしまう点もあります。もっとも、実際に不登校の生徒と面談すると学校に登校させるのがどれくらい大変かはわかっています。では、なぜ増えているかの根本的な理由を考える必要もあるのではないでしょうか?それを解決しない限りは不登校生徒は減らないでしょう。そして、これだけの数がいるなら政府としてしっかりと対応すべきだと思います。保護者や学校任せではなく、もっと他に良い方法があるのではないでしょうか。

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