保護者懇談などで進路について相談する機会があると思います。ただ、担任が言ってくる言葉を聞いているだけの場合もあれば何か質問をしたい場合もあります。特に保護者は受験に関して不安が一杯の場合に何を聞いていいかわからない場合もあります。では、どの様に対応すべきか考えてみましょう。
保護者が理解している様で理解できないのが金銭的な問題です。高校入試では私立よ公立だけの受験料でしたが、大学入試は受験の方法によって金銭的な負担が大きく異なります。場合によれば、受験料だけでも3万5000円(*指定校推薦入試では免除もある)~数十万円がかかります。そして、入試方式にって入学金などを納める期限も変わります。滑り止めなど後に返金される前期授業料も一旦は納めないといけない場合もあります。そのため、目安としてどれくらいの費用がかかるかを聞いても良いでしょう。生徒自身の学力によって受ける受験数も変わってきます。
ただし、担任の先生であっても金銭的な問題を把握できていない場合があります。場合によれば進学に必要な費用を借りるにはどうすれば良いかなどの相談もあるでしょう。ただ、多くの先生は把握していません。そのため、それほど深い内容の場合は事前に相談しておく必要があるでしょう。学校によりますが事務と協力して相談する場合もあります。
受験計画を相談する
受験計画をしっかりと考えておく必要があります。これは、懇談当日と言うよりも事前にある程度は相談しておく必要があるでしょう。そして、懇談時に最終確認するぐらいの気持ちで臨んで欲しいのですが、中には懇談時に1から決めようとする場合もあるので注意しましょう。
まず、大事なのは志望校+安全校の設置になります。これは組み合わせ方次第なので何校受験するかも大きく変わってきます。もし、受験費用の限界があるなら事前に何校までと伝えておく方が良いでしょう。ただ、私立大学で1~2校と絞られると選択肢が厳しくなります。
また、このまま受験勉強を進めて良いのか?進路変更すべきなのか?、とても重要になります。特に高校2年生冬~高校3年生7月までの間で「国公立大学から私立大学への変更」や「私立大学(3科目受験)から私立大学(2科目受験)」など重要な選択が迫られます。単純な模試の成績ではわからない点もあるので、何をすべきなのかを明確にしてもらいましょう。難関国公立が難しい様なら難関私大を目指すのも1つの手だと思えます。
このように何をして良いかわからないなら、事前に生徒を通じて受験計画を相談しておきましょう。その場で決めると時間ばかり無駄になります。
お名前.comまず、高校に全てを任せようとは考えないようにしましょう。大学受験を目指したコースならともかく、基本的には学校側が対応できないことは予備校や塾、家庭で補う必要があります。そもそも、予備校など1年間通えば、かなりの金額になりますが、それだけの効果を無償(低額)で高校に頼むのは難しいでしょう。
例えば、補習の有無・弱点の補強・志望校対策・自習室利用などを高校で実施しているかどうか確認するのも良いかもしれません。ただし、全てを学校にしてもらおうと考えないことです。あくまで、どれくらいフォローしてくれるかを確認する程度で良いでしょう。例えば、ある高校で夏季休暇中に受験生向けの補習をしていましたが1科目80分のために、60分かけて登校して授業を受け60分かけて帰る姿を見ながら無駄だなと感じたこともあります。この様に学校の指導が生徒に合うかどうかも考えましょう。
今後のアドバイスを貰う
最初に注意しておきたいのは、担任の先生が言うアドバイスは正解ではないということです。特に何も考えずに言っている場合やまた聞きのアドバイス、そして経験からくるアドバイスなど正解はわかりません。ただ、そのアドバイスを自分にとって有益かどうかを落とし込めば良いだけです。もし、実践する意味があると思えば、実践すれば良いでしょうし、意味ないと感じれば聞き流せばよいだけです。
ある時、私立大学を志望している生徒に対して「難関国公立大学対策の講義を受講すれば、難しいことをするから簡単なことはできるようになるだろう」と真顔で言っている担任もいました。即座に止めましたが、受験を知らない先生もいるのも確かです。中には、過去問など何年も解いたことがない先生が受験を語っている場合もあります。あるいは、評論家になっている先生もいます。ある先生のアドバイスで数学を攻略するために「平日3~4時間問題を解きなさい」と言っている人がいました。そうすれば得意科目になるでしょうが他の科目は何も勉強が出来なくなります。
この様に、アドバイスは自分に実践できるかどうかを考えて取り組むようにしましょう。やはり、的を得たアドバイスをする先生もいます。そして、あまりにも荒唐無稽のアドバイスならそういう先生だと判断するのも良いでしょう。
結果、実際に進路に関する懇談は生徒と保護者の擦り合わせの場面でもあります。その場面で初めて相談するのではなく、生徒を通してで構わないので日頃から相談しておけばスムーズに話ができます。それが懇談までにできる一番の準備でしょう。