就職活動のweb試験で替え玉受験を行ったとして不正を行った人物と不正を依頼した学生が捕まった事件が発生した。アンケートでは1割程度が不正を行った経験があると言われるが、この問題から通じる大学受験の公平性を考えてみよう。
就職活動のweb試験での不正自体は良くないことであるのは間違いないが、そもそも公正な試験を企業が実施しようとする意識はあるのだろうか?web試験では不正を懸念していながら実施している理由は何でしょうか?恐らく、「コスト的な面と入社試験を受けやすさ」と「不正リスク」を考えてどちらが良いか判断した結果ではないでしょうか。
大学生からすれば金銭的な負担があっても入社試験を受ける回数が減るならメリットはあるでしょう。もちろん、この様な事件が発生すると倫理的な問題で「そこまでして入社しても辛いだけ」と述べられるケースがありますが、世の中にはコネなどで入社しているケースも多いため倫理観はそれほど気にならないでしょう。しかも、この後の面接試験が難しいので1次の入社試験ぐらいの不正では軽い気持ちになるでしょう。そして、企業側も不正があることは想定の範囲内ではないでしょうか?不正を失くしたいならば会場を設定して試験を行えば良いのですが、それを省いた以上は不正リスクは避けられないでしょう。
もっとも、今回の逮捕によって大々的な不正は減るでしょうが、なくならないかもしれません。でも、この犯罪は誰が訴えたのでしょうか?
お名前.com入社試験では筆記試験がクリアしても、その後の面接試験の方が圧倒的に難易度が高くなります。そのため、不正してまで筆記試験を受けるのはどうかと思いますが…。でも、同じようなことは大学受験でもおきないでしょうか?
受験生が出願した書類は誰が書いたのですか?
総合選抜型入試では1次試験で書類審査(*もしくは書類審査+大学での試験)、2次試験で面接や小論文、実技になります。そのため、2回の試験で合否が決まります。それにも関わらず、志望動機書、自己PR文章、提出書類は誰が書いているのでしょうか?
担任であれば多かれ少なかれ提出書類の文章指導を行います。ただ、熱心に指導すればするほど文章の大半は大人の手によってつくられることもあります。(*総合選抜型入試を専門に取り扱う業者もいる)一方で、教員が指導してもらえない場合は自分一人の力で頑張るしかありません。少なくとも、試験会場で試験をした場合は公平と言えるでしょうが、事前提出では不正はやりたい放題でもあります。
そこで、受験生が出願した書類は受験生本人が1人で完成させたと言えるでしょうか?まず、1人で全てを完成させた受験生は少ないでしょう。そのため、試験として公平性が保てるかどうかは疑問です。
2次試験の面接などで提出書類とのズレを判断するかもしれませんが、短い時間で確認はできないことも多いでしょう。また、提出書類をもとに面接練習をするからズレをみつけるのは難しいでしょう。
大学は教室があるなら書類審査ではなく、試験としてその場で書かせた方が実際の力を見ることができるのでしょうが、なぜか書類審査で終わらせている大学が多くあります。これも就職活動のweb試験と同じでコストを優先したのでしょうか?
最近は総合型選抜入試が一か八か受験して合格すれば良いと考える受験生が増えたと思います。そのため、入試難易度は上がっている気がしますが、でも書類審査で合否を出すのは疑問が残ります。公平性を重視するなら防ぐ方法はあるでしょうが。