偏差値重視の大学選びの是非

■偏差値重視の進路選択を批判するが…

偏差値を重視する大学選びは本当に間違っているのでしょうか?もちろん、受験生自身の興味関心がない学部に入りやすいからと受験を薦めることは問題があります。そのため、自己分析や大学調べをして本当に学びたい大学に進学するべきと言う意見もわかります。しかし、3つの側面から考えた時に本当に「偏差値の高さ」は否定すべきなのかという疑問が出ます。それを考えてみたいと思います。ただし、国家資格系の大学では偏差値はあまり影響しないことがあります。

■学びたいものを学べる環境

自己分析や学問調べをした結果として〇〇大学であれば自分が学びたい学問を学べると考えたとします。この行動は高校の進路指導部や教育関連の専門家にとって正しい行動だと考えられます。しかし、そこに落とし穴があります。それは、学生の学力次第で希望した学問を深く追求出来ない可能性がある点です。なぜなら、英語のカリキュラムでbe動詞から教えていることが話題になりましたが、その様なことは20年以上前から行われており、話題となった『算数ができない大学生―理系学生も学力崩壊』は2001年出版されています。そのため、その程度の英語力がないのであれば、国語(文章読解力)、数学などの自然科学系学問、社会科学系の一般教養さえ期待できないと考えた方が良いかもしれません。その様な生徒が多く在籍していても理解できるような授業を行うとすれば学問の探求になるのでしょうか。結果として、〇〇大学であれば自分が学びたい学問を学べるはずが深く学べていない可能性があります(*他校と比較しづらいので満足はするかもしれません)。ある程度学力が高いとされる大学に進学する方が学問を深く学べる可能性があります。

ただし、最終的には本人のやる気次第なので、学びたい内容があるからと個人的に他大学の教授に連絡を取り、フィールワークなどに一緒に参加させてもらい学問を追求した生徒もいます。その一方で、希望していた進路をとったはずが面白さがなく方向転換した生徒もいます。結局は、難関大学の総合大学であれば学べる学問の種類が多いメリットがあります。そのため、本当に「この教授に学びたい(師事したい)」「他大学にない特定の学問」である場合以外は難関大学を目指す方が無難と言えます。

■多様な人々との出会い

「偏差値が高い大学生は勉強ばかりしてきたから画一的な考え方しかしない」と言われてきましたが、これも恐らくは間違いではないでしょうか。そもそも、偏差値が高い大学の方が地方出身者や浪人生など色々な人材が集まってきます。そのため価値観が多様化する可能性があります。一方で、推薦入試がメインの大学の場合は地元の大学生が多く、現役生ばかりになります。また、部活動やサークル活動にしても選択肢の量が大きく違います。もちろん、学外サークルなどに加入すれば良いのでしょうが、やはり大学での選択肢が多い方が良いでしょう。

ちなみに、偏差値が高い大学の生徒は「高校時代に遊んでいない」「部活動を真剣にしていない」と偏見がありますが、偏差値の枠組みが下がるほど「無気力な生徒」が増える可能性があります。結局は、どちらが刺激があるかという問題ではないでしょうか。

■大学卒業後の進路について

難関大学に進学すれば全員が就職で成功するとは言いません。ただ、難関大学出身者の方が巨大企業・大企業に就職する可能性が高い。また、大企業の方が収入面や待遇面で中小企業より良いことは教科書にも掲載されている事実になります。もちろん、大企業で働くことが必ずしも正解ではないでしょうし、中小企業でも収入面でも待遇面でも良い会社は多くあります。ただ、大学生が大企業でも何百社もあるのに中小企業まで見つけることができるでしょうか?あまり知られていないけど優良企業は世の中には多くあります。そのため最終的に会社の規模に関係なく選べば良いのですが、難関大学の方が就職の選択肢が多くなるため、選択できる状態にしておいた方が良いのではないでしょうか。

難しい問題ですが、「好きなことを仕事にする」は必ずしも正解とは言えません。ある生徒が声優系の専門学校を卒業してプロダクションに入ることが決まり専門学校側は成功だと言っていました。ただ、本人に聞くと東京に行くが収入がないのでアルバイトする必要があると言われた。そうすると、アルバイトしながら生活費や居住費を支払い、オーディションを受けて声優になるまで道のりが遠く感じます。それなら、一般的な仕事をして「好きなことを趣味」にすれば良いのではと思います。実際に、国家資格系の大学に進学して求人票を見たら給与の低さに進路を迷う生徒もいます。どちらにせよ、「収入を重視するか」「やりたい仕事を重視するか」は本人が選択すれば良いのではないでしょうか?

■まとめ

「国家資格系の学部」「特定の教授に師事したい」「特定分野の研究をしたい」を除けば、ある程度は偏差値の枠組みを基準に大学選びをしても良いと思います。もし、京都大学に合格したにも関わらずにFランクに該当する大学に進学すれば本物ですが、それはレアケースでしょう。そのため、国公立大学か私立大学は選ぶ必要があるかもしれませんが、受験勉強に取り組みながら志望校を決めれば良いのではないでしょうか。そして、目標段階は高く設定しても良いと思います。ただし、偏差値が高い大学に進学するためには一部の入試方式を除き受験勉強は必須になります。もし、部活動も学校生活も楽しみたいのであれば早めに行動する方が良いでしょう。

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