授業時間が多いほど学習効果が高いと考えるのは危険

■ 授業が多い理由

私立高校であれば土曜日授業がある高校もあれば、公立高校でさえ7限授業が設置されている場合もある。授業時間が多い理由は「学力の向上」「大学受験の準備」が当てはまるだろう(*土曜日授業を設置して平日6限にして部活動の時間を確保している場合もある)。確かに、学習内容の増加や国公立大学の科目数増加など教えるべき内容が増加したことは間違いありません。そのため、必要かコマ数を確保することが大変なことはわかります。しかし、学力を伸ばすことが目的なはずが、手段の1つである授業が目的になっている気がします。本当に、授業量が多ければ生徒の学力は伸びるのでしょうか?

■ 授業量より勉強量の質

授業時間、補習、課題、小テストが多い学校に通っている生徒が学力を落としてしまうケースがあります。なぜなら、授業ばかりで復習や覚えこみが不足しているにも関わらず授業が進んでしまうためです。たとえ、課題があっても作業化してしまう場合や小テストも短期暗記でその場限りの知識を入れているだけの場合があります。そのため、生徒によって以下の場合が考えられます。

【成績最上位層】

学生の中には授業を聞いている段階で覚えこみや理解が出来る場合があります。そのため、普段から復習に時間をあまり割く必要がないことから授業が多くても特に問題はありません。むしろ、授業が多ければ多いほど知識を増やしてくれますが、この学力層に合わせた授業は集団授業では難しいでしょう。

【成績上位層】

授業時間や課題などが多いことにより損をしやすい学力層になります。なぜなら、授業を受けた後に復習や覚えこみなどの勉強時間が必要となります。それにも関わらず、授業、課題、小テストの準備に奔走させられます。そのため、自分がしたい勉強が出来ない場合があります。結果として、学力が低下してしまう(学力が伸びない)ことになります。

【学力中間層・下位層】

学力中間層や下位層の中で学習意欲が低い生徒にとっては授業時間を多く設定されている学校の方が学力は伸びる可能性があります。学校関連の勉強だけを必要最低限取り組んでいるため、「授業時間の増加=勉強量の増加」になるため一定の効果はあるかもしれません。また、授業時間を多くすることで気づかないうちに勉強に慣れさせるケースもあります。

以上のことを考えれば、学力中間層や下位層にとって授業時間が多いことは学力向上に期待が出来る一方で、学力上位層の様に自主的に勉強が出来る生徒にとっては取り組みたい勉強ができない可能性があります。大事になるのは、授業内容を復習や定着させる時間が確保されているかどうかになります。特に大学受験に関しては授業を受けているだけでは学力は上がらないだけでなく、授業時間よりも復習や覚えこみに時間を割く方が良い場合があります。

現実的には、1年~2年夏頃までは授業以外で勉強する生徒は限られているだけでなく、やる気がある生徒も課題の多さや授業など慣れながら自分の勉強をする時間を見つけていきます。ただ、観点別評価が始まってから評価をつけるための課題が増えている気がするので意味があるのかなと感じたり、受験時期に意味のないことに時間をとられたくないと言うのはあります。

■ 最後に

勉強時間の中で「授業を受ける時間(解説を聞く時間)」「復習する時間」「覚えこむ時間」「問題演習をする時間(過去問レベルの場合)」とを3~4つに分けてバランスを考える必要があります。特に、学年が低い場合は「授業を受ける時間(解説を聞く時間)」が多くても問題はありませんが、学力を上げるためには「復習する時間」「覚えこむ時間」は必須になります。そのため、高校3年生であれば「1:1:2:1」の比率ぐらいが妥当になります。授業を受けていれば安心できるかもしれませんが復習や覚えこみをしないと本格的に学力は伸びません。その時間を確保できていないなら授業が多ければ多いほど消化不良になるでしょう。

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