平均で満足できない理由
生徒や保護者の中には定期試験で平均点を採れれば満足している場合があります。確かに平均点であれば「勉強ができない」という状態でもないため満足する気持ちもわかります。しかし、平均点で満足していると、いつの間にか平均以下の状態になるケースがあります。
現在は、大学進学率が50%を超えていることを考えれば中学生であっても大学進学の可能性を考えておく必要はあります(短大・専門を併せれば75%程度)。そして、大学への進学割合は学力の高い高校になればなるほど高くなります。そのため、平均点付近の中学生が進学する高校は比較的大学進学率が高いと考えられます。そのため、以下の図のような現象が起きます。

例えば、A君は中学時代に定期試験で平均点程度の成績でした。ただ、高校進学後に状況が変わります。もちろん、進学校でも専門学校や短大希望者がいる一方で、通信制や単位制高校でも難関大学に進学する高校生がいます。ただ、一般的に学力が高い高校の方が大学進学数が多くなるでしょう。そのため、多少極端に考えると、中学時代に平均的だったA君は大学では平均以下になる可能性があります。実際に、高校生が多く受験しているデーターでは、近畿大学の偏差値が54~66程度なので、平均である偏差値50を大きく超えていることがわかります。おそらく、平均である偏差値50程度の大学の場合は多少の難易度の差がありますが、一般選抜型入試より推薦入試で合否を狙うことが基本になります。
この辺りは、高校の進路実績を参考にして頂ければわかりますが、平均的な生徒がどの大学に進学しているかを考えれば大学受験の難しさを知ることができます。
目指すべき得点
では、どれくらいの点数を中学時代に目指すべきかと言えば、最低380~400点程度を目指して欲しい所です。なぜなら、その点数を目指していけば生徒によって320~430点程度の振れ幅はありますが、進路選択時に困らない点数は採れます。
そもそも、定期試験で点数が採れないなら実力テストや入試で同等の点数が採れることはありません。そのため、範囲が限定的で授業に則した問題や対策プリントで点数が採れる定期試験で平均より大きく上回る点数を採ることを目指すことが必要です。言い換えるなら、授業をしっかり聞いて、テスト前にしっかり勉強しておけば平均点以上は超えるはずです。どうしても平均点で満足していると平均点以上の点数が採れなくなります。まずは、①授業をしっかりと聞いている、②提出物関係をテスト1週間前までに完成させる、③定期試験1週間前の勉強時間を増やす、これらのことを少しずつでもできるようになっていけば成績は上がります。
高校進学後に、「行きたい大学」ではなく「行ける大学」で進路を選択しない様に中学生の間からできることはしておきましょう。
