大学入試の現状
大学進学は難しくない?
高校卒業後の進路先を不安に感じる中学生や保護者も多いのですが、大学に進学するだけであれば難しくない(*一部を除いて短大も易化、一部の専門学校のコースは先着順のようなことがあるが基本的に進路確保はできる、就職は業種に拘らなければ求人票が余っている)。もちろん、中学生や保護者の中には「勉強が嫌い」「学力が低い」という不安を感じているケースがあります。しかし、私立大学では総合選抜入試・学校推薦型入試(指定校推薦入試)での進学者が増えており、たとえ関関同立であっても推薦入試(内部進学を含む)での進学生徒の割合が約50%程度はあります。そのため、大学によっては筆記試験を受けて入学した生徒の方が少数派である場合があります。特に、総合選抜入試(旧AO入試)では高校での成績も関係ないため勉強面で不安がある生徒でも合格しやすい環境になっています。
なぜ、この様な状態になっているかと言えば、18歳人口の減少が続く中で私立大学は学部の新設や定員の増加により合格しやすい環境をつくってきています。数年前までは女子の大学進学者数増加、短大から大学への希望者増加により対応できたのでしょうが、私立大学の定員割れは全国で59.2%に達しており三大都市圏においても入学定員>入学者数という事態になっている。そのため、大学の供給が過剰になっているため、どの様な学力層であっても大学進学がしやすい環境にはなっている。
ただ、その様な状態で大学進学をする意味はあるのか?と考える中高生や保護者も多いかもしれません。ただ、大学進学率が50%を超えており、短大・専門学校を含めると7割以上が進学をしている。そのため、高校に進学するのと同じように進学して普通になってきているのが現状。そのため、大学に進学することが目的ではなく、「どの大学に進学した」「何の資格を習得した」が求められます。
結果として、大学は二極化を招いています。主要な国公立大学であれば科目数の負担が大きく、難関私大であっても、しっかりと勉強しなければ合格できない大学があります(推薦入試での進学者が増えたことで一般選抜の難易度は高い)。一方で、体験授業やレポートを提出すれば簡単に合格できる大学もあります。そのため、高校生も「勉強する」か「勉強しない」の二択になってしまいます。では、高校生がどちらに流されやすいかと言えば、「受験勉強せずに進学する」方向に向きがちです。
以上のことを考えれば、大学入試が二極化していく中で高校生で受験勉強を選択する生徒の数は減少傾向になるでしょう。一部のトップ校を除けば、年内に進路先を決める高校生が大半です。結果として、勉強を頑張ている生徒の方が負担が大きくなります。周りが遊んでいる中で受験勉強を続けるだけのモチベーションがあるでしょうか。そのため、中学段階から高校選びを真剣に考える、高校生では受験勉強を1年から少しでも繋がっておく必要があります。そうすれば、誰でも難関大学を目指せる可能性が生まれます。
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