部活動と大学受験の関係
部活動のメリット・デメリットに気づけば対応できる
部活動と受験勉強が両立できるかの論争は長い間続いてきています。そもそも、学力状態・志望校・部活動の練習日や負担・学校の授業の質・家庭学習の有無など個々の生徒によって状況は大きく違います。そのため、一概に受験勉強に部活動は不要とは言えません。一方で、受験勉強に部活動は負担があると思う高校生が多くても当然だと思います。では、部活動のメリットとデメリットを考えれば対応ができるのではないでしょうか?
部活動を行う最大のメリットは学校生活が充実する点です。部活動を通して交友関係を広げることが魅力的です。確かに、部活動によっては朝練や昼休みなども部活関係で集まることから排他的な部活(*クラス内の交流が少ない)もありますが、基本的には一生付き合える交友関係を築ける機会でもあります。そのため、高校1年生や2年生であれば部活動を積極的に行うことは問題はありません。一方で、最大のデメリットは高校3年生での受験勉強時間が削られる点です。そもそも、高校生の部活動の引退や勉強優先のスケジュールが可能になるのはいつでしょうか?例えば、インターハイなどに出場していない部活や文化系部活でも最後の大会が8月や9月の場合があります。そのため、夏休み中に受験勉強を追い込むことが難しい場合があります。結果として、模試での成績も振るわない状態にあるので指定校推薦などを選択するケースが多くなります。
この様に、部活動のデメリットを否定せずに、〇〇という問題があるから、この様に早めに取り組んでおこうと考えれば良いことです。ただ、部活動に「集中力が増す」「礼儀が学べる」「友達が増える」と理由をもとめるのではなく(*これらは部活に加入するかしないに関わらず学ぶべきこと)、学校生活を充実させたいから、しっかりと対策を打つことを考えましょう。受験勉強を早めに取り組んでおけば部活動と受験の両立が可能となります。
科目を絞る重要性
高校1年生・高校2年生の始めから本気で勉強している高校生は少ないでしょう。ただ、高校2年生の冬頃から上位校を狙う高校生は勉強時間が増えてきます。そのため、「部活動をしている時間」に他の受験生は勉強していることは間違いありません。まず、そのことを考えることができれば早めに対策はできます。そのために必要なことは以下の通りです。
もっとも単純な方法は科目を絞って学習することになります。いくら部活動をしていても、睡眠時間を削られるほど忙しいわけではありません。十分、何時間か勉強する余裕があります。そのため、「文系であれば英語」「理系であれば英語と数学」に絞って1年生から少しの時間でも勉強していれば学力は身に付きます。例えば、英単語や漢字だけでも高校3年生までに覚えることが出来れば追い込みがかけられます。もっとも間違った方法が、受験科目だからと浅く広く手を出すことです。結局、どれも中途半端にするなら科目を絞っておきましょう。
実際、全国大会を目指している部活動を除けば、勉強する時間は十分あります。ただ、高校3年生段階で追い込みをかけたい時に、勉強時間が削られることが困るだけです。そのため、どれくらい3年生になる段階で基礎学力がついているかが大事になります。
受験の難しさ
ある程度の一般選抜入試を受験する受験生がいる高校では、受験勉強を比較的に優先してくれる場合があります。部活動においても、補習や塾・予備校を優先しても問題ないケースがあります。一方で、受験に慣れていない学校の場合は、受験より部活動や行事が優先されることがあります。それこそ、オープンキャンパスに参加したいけど部活が優先で行けない、引退したけど後輩のために練習に参加している等、追い込みがかけたくても勉強優先にできない場合があります。これは、部活動だけの問題ではありませんが、高校3年生学年末試験の段階で「一般入試の受験科目でなくても、クラスの平均点のために勉強しなさい」と注意されるケースもあります。
以上のことを考えれば、部活動と受験勉強を両立させるためには科目を絞って早めに勉強を始めることで両立は可能です。もちろん、受験に対して部活動の理解や本人の意欲が高ければ追い込みをかけることは可能です。そのため、まずは受験勉強から切り離された状態になることは防ぎましょう。そして、中学生の場合は、中学時代に「どれだけ基礎学力をしっかりと身につけた」「英検2級程度」の学力をつけておけば、それほど心配することはないでしょう。できることを早めに取り組んでいきましょう。
